走る 嘘みたいなほんとのエイプリルフール
朝から外が騒がしい。
ここさいきん朝型のわたしはばりばりの仕事モードだったのだが
出てそちらの方まで走って行った。
小学生だかそれくらいの男の子たちがわあわあ言うてる。
どっかの家の犬が逃げたのだと。知らんがな。
でも口からは「そうなん?」が出て、
しかも誰だか知らない近所の子なんか近くはないが近い公園に遊びに来てたのかわからん子らに言うてしもた。
「探そか。どっちに逃げたん?」
「あっち! 坂走っていった!」
「走っていったんや（笑）」
「行ってみよ!」
「行こ!」
お互いタメ口で何やかや言いながら
しばらく走ったりしたけれど犬は走っていなくって。
誰かに危害を加えそうな犬ではないらしいのでわたしは諦めかけた。
時間勿体ないし。そもそも犬ともお子たちと接するのも得意じゃないし。
「犬ってアホやないからたぶん自分の家わかるんちゃうかな。待つしかないんちゃう?」
「あいつアホやねん」
「自分とこの犬なん?」
「違う。でも友達やねんいつも公園で会うねん」
「うーん、それは心配やなあ。どないしたらええんかなあ……」
そのときちょうどこちらに向かって走ってきた犬を知らんおっちゃんが捕まえた。マジか。マジだ。
エイプリルフールってぜんぜんおもしろいと思わない。
どの嘘の内容にも出し方にも「おもろいやろ?」「すごいやろ?」の滲みを感じてしまうから。
だからおもしろがれるところまでいけないいかない。
でも走りながら男の子らの一人が言った「うわー。暴走してるなー」はまだじわじわ来てるそんな新年度の始まり。
古い歌を思い出したけれど彼もわたしも世代ではない。
＊
ってことでつまりあの曲のことを追記で語るべきなのかもだろう。
が、今日何気なく聴いていた某局某番組からは
キヨシローの『JUMP』が流れてきた。
続いて『デイ・ドリーム・ビリーバー』。
「グッと来ますねえ。春の夜です」 うん。
◆◆
【略歴や自己紹介など】
構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子（桃花舞台）と申します。
旅芝居（大衆演劇）や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。
普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。
劇場が好き。人間に興味が尽きません。
舞台鑑賞（歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス）と、
学生時代の劇団活動（作・演出/制作/役者）、
本を読むことと書くことで生きてきました。
某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
lifeworkたる原稿企画（書籍化）２本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
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