鰆(さはら)
鰆(さはら)
讃州に流し網にて捕。五月以後十月以前に多し。大なるもの長六七尺にも及ぶ。漁子、魚の集りたるを見て数十艘を連ねて魚の後より漕まはり追ふこと甚しければ、魚漸労れ憑虚として酔がごとし。其時先に進みたる舟より石を投げていよゝゝ驚かし引かへして逃んとするの期を見さだめ、網をおろして一尾も洩すことなし。是を大網、又、しぼるとも云なり。さて網をたくり攩網にてすくひ取るなり。
鰆の字、亦、国俗の制なり。尤字書に春魚とあれども、●に二三歩計の微魚にて、さらに充べからず。大和本草、馬鮫魚に充たり。曰、魚大なれども腹小に狭し、故に狭腹と号く。サは狭小なり。閩書曰、青斑色 無鱗 有歯、其小者 謂 青箭 云なり。
此子其大なり。是を乾したるをカラスミといへり。即乾し子と云。鯔子の乾子は●に勝る。
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筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
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