池田炭(いけだすみ)
池田炭
播州池田炭は、一倉と云里にて 檞 にてやきて、池田の市に出す也。炭竃は地をほりて、其上にむろを造り、跡先に口をあけ、中へくぬ木をつみ入てやく也。やきかげんを見てふたをするなり。ふたおそければ 炭損じてあしく、又、早ければ ふすぼりてあしき。とかくふたのかげん大事也。凡、焼炭、諸国より多く出といへども、池田を㝡上とす。
※ 一倉は、摂津国川辺郡一庫村。現在の兵庫県川西市の北部。
※ 「跡先」は、ここでは、細長いものの一方の端と他方の端(先端と末端)という意味。
※ 「㝡上」は、最上。
炭はねて 始まらんとする 茶の湯哉
正岡子規
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