見出し画像

【二十四節気】(冬)立冬

立冬 七日
 (11月7日~11月21日頃にかけて)
立冬は冬の最初の日。

山茶始開 地始凍 金盞香
つばきはじめてひらく
ちはじめてこほる
きんせんかはにほう

水始凍 地始凍 雉入大水為蜃
みづはじめてこほる
ちはじめてこほる
きじたいすゐにいつて
はまぐりになるは

みづつちこほりこほ
のきじも うみいり
はまぐりとなる

十月の節に冬の氣立ゆゑ、立冬といへり。

水始凍とは、冬はいんにして、水も又、いんなれば、同氣相求あひもとめこほりむすぶなり。地始凍も、同じ理にて、寒氣かんきを受て凍る故。

雉入大水為蜃とは、雉は南方の火に属し、外陽そとやうにして采色さいしきあり。うちじうにして陰をいだく。蛤も又、外陽がうにして内柔陰じういんなり。此節陰気極り、昇り又降んとす。故に、陽鳥やうちやうの雉、是に誘はれ、海水かいすゐに入て己と同象のはまぐりとなる。

きじはまぐりともに、そとがううちじうにして、□ 離のくわしやう也。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『永暦大雑書大成:万民重宝


農家年中行事 立冬

夏大根、此節まき置べし。
にら、にんにく、分植てよし。
百合、かたくり、葛の根、蕨の根、掘るべし。
梅、李の種、埋め置くべし。
人参、當歸、獨活の類を掘るべし。
榰の枝切るべし。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本区分農事暦:一名農家年中行事

※ 「當歸」は、セリ科の植物。当帰とうき


立冬 楸莢猶懸
蝙蝠作声

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候新撰


名花画帖 立冬

立冬一候 烏柏纔染 たうはぜ
立冬二候 竜胆長青 りんだう
立冬三候 馬蘭蕊迸 こんきく

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二侯名花画帖 下


印存 立冬

水始冰 坪井山舟 
地始凍 三村竹清
雉入水為蜃 高安紫山

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候印存



参考:『日用便覧』『書翰文精義 上巻 訂3版』『古事類苑 第2冊』『広辞林 新訂版』『神通発秘:究天極地』『天文運機術:一名・天地人三道極意(四時気候)』『日本区分農事暦:一名農家年中行事』『万暦三世相:永代雑書

● は解読できなかった文字、□ パソコンで表示できない文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖