八月枯鮎(さびあゆ)
八月 枯鮎
正字は●と書べし。鮎の字は俗也。此魚、春の 初 、海と河との間に生れ、河水をさかのぼる。夏になりて●ゝに生長し、八月より身にさびを生ず。それよりは、河上より下りて、海潮さかひにて子を生て死する也。
八月の 落鮎 を取には、河のながれをせきとめ、真中をあけて、竹の簀を敷て、上へ落くるを取也。此竹のすを 魚梁 と云也。
人音すれば、底にしづみて 動 ず。故に、是をとるには、静にして人なき体にして居る時は、鮎かならず落来る也。
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