小手毬のつぶやき

小手毬のつぶやき

最近の記事

寒中お見舞い申し上げます。

令和5年・2023年の新年もすでに19日。 新年のご挨拶はおろか、このnoteも慌ただしくしているうちにほぼ五か月のご無沙汰となってしまった。 【今年の守り本尊、文殊菩薩のお詣りと卦体神信仰】 今年の干支は兎である。いただいた年賀状も、みな優しくかわいらしい兎の模様ばかりで心も和んだ。昨年は年女で、渋滞の中、寅年の守り神、仙台西南部、愛宕山の虚空蔵堂、大満寺にお詣りをしたことを思い出す。 仙台ではその年の守り本尊を祀る卦体神(けたいかみ)という風習があり、十二支を祀った神社

    • 松島瑞巌寺での展覧会        ~東北の画人たち~

      【国宝瑞巌寺】                           先月末の日曜日、久しぶりに松島の瑞巌寺を訪れた。                   見出し写真は現在の瑞巌寺の参道。東日本大震災で途中まで津波が押し寄せ、鬱蒼とした杉並木は塩害を受けて枯死し、約300本もの杉が伐採された。以前の瑞巌寺をご存じの方はこんなに明るくなった参道をご覧になって驚かれることと思う。 しかしこれも盛衰を繰り返してきた長い瑞巌寺の歴史の中のひとこまになるのだろう。瑞巌寺は平安時代初頭、

      • 梅干し作り‐土用干しで完成!

        6月に人生で初めて手を付けた梅干作りがこのほど一応の完成を見た。野菜売り場に山の様に梅が並び、赤紫蘇や粗塩などが売られているところを見ると、今の時代でも毎年当たり前のように梅干しの漬けこみをしている人はかなりの数に上ると思われる。今はほとんどの人は梅を買って漬けるが、庭の梅の実を漬ける人は大量に漬けて知り合いなどにおすそ分けをすることになる。 そんな中で私の様な新米の梅干漬けの記事など何のお役にも立てないと思うが、ただ、初めて挑戦する方には多少参考になるかもしれないし、何よ

        • 定点観察散策―合歓の花咲く道

          二十四節気では小暑に入り、次の大暑までの間が一年で一番暑い時期で「暑中」と呼ばれる。例年ではまもなく梅雨明けを迎える時期だが、今年は梅雨はとうに明けた。東北でも連日猛暑の毎日でいつもの窪地の溜池散策も遠のいていた。 近くの友人から『合歓の木が満開になっている!』との知らせがあった。参議院選挙の帰り、ワクワクしながら窪地への道を下りた。前回から大分日が経ち夏草が生い茂って緑が濃く、初夏の景色からはかなり様変わりをしていた。 坂を下りてすぐ目に入るのがネムノキの並木である。春は

          梅子黄 うめのみきばむ

          初夏は季節の保存食作りに忙しい。とは言っても私の場合大人数分を作るわけでもないが、それなりに手間と神経を遣う。 しばらく山椒まつり?でテンションが上がっていたが、ようやく落ち着いてきた。実山椒も今のうちにと、せっせと塩茹で、あく抜きをして、冷凍庫におさめ、ちょくちょく料理に入れて満足していた。ずっと京都のを買って食べていたちりめん山椒もついに作ったが、いつもと違う醤油を使ったためか、満足の行く味ではなかった。何事も経験。もちろん自分が食べる分には誰にも迷惑をかけることはない

          梅子黄 うめのみきばむ

          山椒賛歌

          人によって好き嫌いはあるかもしれないが、山椒はとても有益な日本のスパイスだとつくづく思うのである。山椒は春先の新芽、花、実、そして秋にかけて成熟した実の果皮、とすべてが旬を持ち、それぞれ大活躍するし、栄養価もあり、サンショオールと言う成分のおかげで血行を良くしたり、胃腸の働きを助けると言う効能もあるらしい。庭に一本、と思うがなかなか繊細な樹木で放っておいても順調に行くというわけではないらしい。ハジカミと言うのは山椒の古語であり、古事記にも登場していると言うからかなり歴史は古い

          日々是好日

          『雨女』と言われているが、確かにそんな気がする。何か事を起こす日、仕事の日、めったに出かけないところに行く日、雨や雪になる確率が高い。 自分の心がけが悪い、とは思いたくないがそうなのだろうか。人生には様々な日があって決して毎日毎日がうまくいくことはないのである、と言う含みなのだろう、と思うことにしている。 【日々是好日】                           好日、の解釈をどう取るかだが、これを良き日、とか幸せな日、とかではなく、かけがえのない日、二度と帰っ

          夏に向かう。

          【3年振りの行事など】 ゴールデンウィークも過ぎると季節はどんどん夏に向かう。 あちらこちらで3年振りの祭りや行事が恐る恐る再開されるようになった。仙台では青葉まつりが規模は縮小されたが、山鉾行列、そしてすずめ踊りの連の笑顔とエネルギーが爆発した。 大相撲の五月場所も2週間があっという間に終わり寂しくなった。 京都では祇園祭も再開だと言う。 インバウンドの世界も小規模ツアーが実験的に行われるようだ。一方で先日オファーがあったばかりの9月末のオーストラリアからのお客様はキャン

          初夏の連想ー牡丹・母の日・山椒味噌

          昨年3月にnoteを始めてから一年間は主に七十二侯を追って更新していたが、今年はそれに囚われず思いつくまま書いている。でも気になる侯は時々取り上げてみたい。 さて、少し過ぎてしまったが、4月30日から5月4日までは『牡丹華 ぼたんはなさく』であった。 【牡丹の庭】                            昨夜、牡丹や芍薬をお庭に育てている友人から連絡があり、この陽気で一気に牡丹が開花したので是非見てほしい、とお誘いがあった。週が明けて見頃が終ってしまっては大変

          初夏の連想ー牡丹・母の日・山椒味噌

          立夏の定点観察―木の花の地味な風情に初夏を感じた日。

          昨日からもう立夏。暦通りに汗ばむほどの陽気。連休の合間の平日だが まだ世の中は静かである。 【連休中の大失敗】                         実は連休の最中の一昨日、家の中で転倒し、ライティングビュローのカドにこめかみの辺りを思いっきりぶつけた、一瞬すごい衝撃で、耳のあたりを押さえたまま、容易には立ちあがれなかった。 『あぁ~、やってしまった』と思っても後の祭り。 冷静になってみると、痛みもひどく、みるみる腫れてきた。とにかく冷やそう、と保冷剤をハンカチで

          立夏の定点観察―木の花の地味な風情に初夏を感じた日。

          旬のもので春ご飯-連休は食で楽しむ

          毎年ゴールデンウィークの頃は春の山菜が出てきて、作るのも食べるのも忙しい。蕨の様な下処理が面倒なものは少し億劫だが、多少の手間は惜しまない。筆頭は筍、蕗、タラの芽、こごみ、しどけ、などなど。少し前まではフキノトウもあった。フキノトウ味噌はせっせと作った。 最初の三つは3回以上は食べたい。その他は最低一回は食卓にのせたい、 今が旬のものばかりである。 ◆筍と蕗の炊き合せ  毎年この時季には必ず作る、定番中の定番。今日は筍,ミズブキ、油揚げと厚揚げなど(ひとつでいいが有り合わ

          旬のもので春ご飯-連休は食で楽しむ

          石巻レポート②-語り継がれる震災

          【日和山から南浜地区へ】                      日和山を下りて最大の被害があった南浜地区へ向かった。山から石巻の街を眺め、ここに来ると気持ちが引き締まる。 昨年完成した「石巻南浜津波復興祈念公園」にある、津波伝承館を訪ねるためである。この辺りは日和山編でも書いたように、津波が押し寄せて密集した住宅を押し流し、コンクリートの壁(小学校の建物など)にぶつかって,火災を起こし、火の海になったところである。この地区だけで500人もの方々が命を落とした。     

          石巻レポート②-語り継がれる震災

          被災地の桜-石巻レポート①

          2011の東日本大震災の後、海外のメディアを始め、視察のゲストや一般の観光客を含め、被災地をご案内する経験が度々あった。だが、ここ2-3年は仕事もないので、遠のいていた。実現するかどうかは別として、9月にガイドのオファーがあったので、取りあえず様子を見るために石巻に行くことにした。最新の情報を得ることが目的だったが、日和山の桜がまだ見頃だと聞き、それも後押しした。誘いに乗ってくれたガイドの友人と二人連れ。 【日和山】 到着して真っ先に向かったのが日和山。全国に「日和山」と

          被災地の桜-石巻レポート①

          定点観察さくら編ー桃源郷

          人込みを避けて名所らしいところには行っていないが、家から歩いて行けるいつもの散歩コースや車を少し走らせて住宅街の公園の桜や木々をのんびり眺めた。前回は街の中心部の公園の桜を堪能したが、我が家近辺の桜も追いかけるように咲いていた。 【いつもの窪地の溜池】 車道に沿って幅が広い歩道があり、ちょっとした桜並木になっている。まだ木々の芽吹きには早いので下の窪地の沼が桜の間から透けて見下ろす格好になっている。緑が茂る前の、今だけの景色が楽しめる。車道の街路樹はトウカエデでそちらもボ

          定点観察さくら編ー桃源郷

          『サクラサク』-街中のお花見。

          昨年より一週間ほど遅れて東北にもたどり着いた桜前線。 当地仙台では開花宣言からあっという間に満開になったようだ。 仕事で街中に出た日、運転しながらパッと視界に飛び込んできた中心部の 公園の桜。くっきりとした濃いピンクの小さめの桜で丸い樹形。 目に焼き付いてしまい、仕事の後で行って見た。新しいNHK放送局も敷地内にある錦町公園である。忘れもしない2011年の3月11日、東日本大震災の日、ちょうど通りの斜め向かいのビルでガイド仲間とミーティング中に地震が起きた。ビルの守衛さんから

          『サクラサク』-街中のお花見。

          Spring ephemeral 、春の妖精たち。

          【Spring ephemeralとは】 直訳すれば「春の儚さ」とでも言おうか、でも学術的には「春植物」と言う訳語になる。いわゆる「春の妖精」とも呼ばれているこの季節だけの山野草の一種である。 春がまだ浅いうちに咲く山野草がすべて「春の妖精」と言うわけではない。代表的なものは「フクジュソウ」、「セツブンソウ」、そして「カタクリ」だろうか。その他「イチリンソウ(イチゲ)」「ニリンソウ」「エンレイソウ」「コバイモ」そして外来種の「スノウドロップ」や「チオノドクサ」などが代表的

          Spring ephemeral 、春の妖精たち。