
拝啓、金森氏 私も背景のある数字なら得意なんだ (映像研には手を出すな)金森氏の成績表
成績表が苦手を決めてしまってたら、もったいない
息子は数学が苦手だ。
塾で数字に時間を割いているのに、数学の成績は一向にあがらない息子に理由を聞いてみると、
数学の問題には、ストーリーや背景がないから、解いてる途中でどうでもよくなっちゃうんだ、という。
社会科や国語、英語も理科も、ストーリー性やその理屈に至る背景を感じるけれど、数学の問題には背景が見当たらない。
数学もいつかは社会の中で色んな背景を持って利用されていて、今はその準備体操?下積み時代?、、、まーそういう感じなのよ、と説明したけど、今つまらないことは仕方なし、なわけで。
彼の言わんとしていることは、私にはよくわかる。
私も息子同様、数字の成績がよかったことはない(なんなら全教科よろしくない)
でも、私は見積もりを作るのが得意だった。
20代の頃中途で入社した制作代理店で営業をしていた。
この会社では制作と営業を一緒にこなさなきゃいけなかったのだけど、なぜがみんな営業の仕事は嫌がる。
私は他の社員が嫌がる見積もり書の作成を、すすんでやっていた。
お客様の納得しそうな金額になるように、
制作コストを抑えるため、何社も相見積もりを取り、
社長の納得するような利益を込みにして見積もるのことが段々と楽しいと気づいた。
見積もりを作るのに必要なのは四則演算だけ。
計算される数字には、お客様のニーズ、制作する上での条件、時期やら配送やら色んな背景があって、私はその背景を想像したり、発見するのが楽しかった。
そして同じ時期に入社した他の社員より、遥かに多いお給料をいただいていた。
その後、会社を辞めて主婦になったので、見積もり書を作ることはなくなってしまった。
かわりに、値引き交渉はやっぱり得意。
家電、引っ越し代金、新車の購入、家の新築に至るまで、ニコニコ顔で交渉して、ネット上に交換されている情報よりも安く購入してきた。
担当した営業さんから、
奥さん値引き上手ですね、とお褒めの言葉を貰い続けている。
見積もりを作るのが得意だったので、
見積もり書の数字の裏の意味を発見できるのだと思う。
計算するのは数字だけじゃないよね
映像研には手を出すな の3巻に、
金森氏の幼少時代のエピソードがある。
(登場人物に氏がつくのがこの物語の暗黙のルール)
算数が苦手なのでチビ金森氏が、
寂れた町の廃業間近の商店で、商売を始めることになるのだけど、
チビ金森氏はお店の場所や、天候、買い手の気持ちをリサーチし、見事に利益を出す。
JKになった金森氏は、おそらく今も
プリントされた計算式は苦手なままだろう。
でも、職人気質の浅草氏と、水崎氏をうまいこと操縦し、
学校からの予算や、制作日数、利益、さらにはクリエイターのモチベーション管理も頭の中で計算する名プロデューサーの金森氏を、計算の出来ない子と言ってしまっていいのかしら。
学校での評価≠社会での応用力
もしかしたら変な特技がひょんなことから、強みになることもあると思う。
そして苦手が多かった人ほど、その強みを見つけやすいかもしれない。
今、東京現代美術館では20人の漫画家さんによる「もしも東京」展が開催されている(2021年9月5日まで)
映像研の作者 大童澄瞳氏も含めて、大好きな漫画家さんの作品ばかりなので、ぜひ行きたいところですが、私のような県外への移動を自粛をすすめられている人のために、会期延長をお願いしたいのであります!!