ザリガニの鳴くところ(2022年の映画)【ザリガニ「全コメが鳴いたあの感動の映画感想!」カニ「なんでかに?」】
ザリガニが鳴いたっ!
全米のザリガニが感動したと言われるあの有名作を視聴してみたので、
早速に記事を書いてみます。
映画版を観ての記事となります。
原作は未読です。
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さて、冒頭でいきなり若い男性の死体が発見されます。
若い男性が付き合っていたという、沼地の娘。
ノースカロライナ州の海際の湿地帯、
湿地帯のど真ん中に一軒だけ立つ家に、ひとりで住んでいる女性。
その主人公のカイルという女性を警察が訪ねたところ、
逃げ出したので緊急逮捕、
そのまま殺人の容疑者とされます。
年寄りの弁護士がやってきて弁護をするのですが。
主人公は街の人を信用せず、心を開きません。
なんとか話を繰り返す弁護士に対して、
主人公は自分の生い立ちを語ります。
「そう、昔は私にも家族がいたわ」
ここで映画は彼女の幼少時代を映し始めます。
幼いころは父と母と、たくさんの兄弟姉妹に囲まれて、
幸せな生活を送っていました。
でも父が暴力を振るうようになり、
母が出て行って、
兄弟姉妹たちもすべて出て行ってしまい、
いちばん中の良かった年下の兄も
「危なくなったらザリガニの鳴くところまで逃げろ」
といって去ってしまいます。
(タイトル回収)
まあ、その後、父もいなくなるのですが・・・
(以下、ネタバレ回避もこめていろいろと省略)
そんな彼女も成長して年頃の娘になり、
沼地の中に冒険しに来る若い男性と仲良くなりますが、
彼は大学に行くために彼女のもとを去ってしまいます。
その傷跡も癒えたころ、また一人の若者が彼女に求愛してきます。
地元の金持ちの息子で、
冒頭で殺されて死体で出てきたあの若い男性です。
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とまあ、こんな回想劇を、
裁判ものの展開と共に並行展開していきます。
お爺ちゃん弁護士はなかなかのやり手で、
あっという間に検察側の理論の一部を崩してしまいます。
米国の裁判は陪審員制のアレですから、ここで相当に陪審員に訴えかける要素があったりもします。
回想劇の方も、
年下の兄が軍人として自活できるようになって戻ってきたり、
いろいろな展開が続きます。
皆まで紹介するのは野暮なのでこの辺で。
この作品は社会派的スタンスを売りにしていますが、
そんなん関係なく、普通に裁判ものとして楽しめるし、
主人公の不遇な境遇が好転してほしいと感情移入することもできるし、
主人公の恋愛に視聴者が気をもんだりできます。
差別とか偏見とかのテーマが入っていたりはしますけど、
そんなに考えさせる内容でもなかったような。
ただ、最後にどんでん返しが入っています。
私は、犯人は〇だな、と考えましたが、
皆さんはどう想像するのでしょうか?
はっきりとは描いていませんでした。
うん、途中から、
あの貝殻が再登場するシーンが絶対に出てくるなとは想ってた。
だがこのラストによって、
その他大勢から頭一つ抜きんでている作品になっています。
こうして初めて、沼地の美しさがわかる。
善とか悪とかを超越した場所なのだ。
それが沼地だ。人生は美しい。
楽しくて、美しくて、見ごたえのある作品でした。
満足ぅ。ザリガニもお腹いっぱいになりました。
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