秘めたる空戦 三式戦「飛燕」の死闘(著:松本良夫)【読書紹介をしようにも機会がない。ここは逃げの一手だ】
宮崎駿せんせが紹介してた。
戦記。空戦記。
戦争の時代。
陸軍三式戦闘機。飛燕。
これを操る無名のエースパイロットが書いた秘話。
たぶん紅の豚とかの参考文献として、
リストアップされないくらいの前提知識くらいの、
読まれ方をしていたのかもしれない。
ノンフィクション枠で出版されたときには、
「こんなエースが実在したのか?」
「リアルすぎる。これが航空戦のリアルか!」
などと絶賛されていましたが、
結論からいうと、フィクションとしか言えない。
フィクションをノンフィクションで出しても、
炎上しない程度の時代です。
日記としての体裁で書かれていましたから。
とはいえ、フィクションだとしてもすごいですよ。
相当に調べこまれています。
見落とされがちな背景。
軍隊に入ったあたりとか、飛行練習生だったりとか。
現地のインフラとか。
飛燕って、故障率が多く、
使いにくい戦闘機だったようです。
しかし作中では整備に名人を連れてきたり、
(芙蓉部隊の彗星の話だったかも)
いろんな対策で稼働率を高めて、
主人公も、最初のうちは決して強くないけど、
そのうち歴戦の猛者になっていく。
かっこいい場面ばかりを描かない。
渋みがあるんだと思います。
だいたいは、一機も落とせずに苦戦して帰ってくる話ですからね。
だからこそ、最後の方で、ループしたワイルドキャットを堕とすときに、
「こんなに強かったんだ!」って思えますね。
強い人が戦っても、勝てるわけじゃないのが本当の戦争。
強いものが強いのではなく、生き残ったものが強いのだ。
ということを、行間で語らせる本作は、
凄みがありますね。
御大がリストアップしたのも、むべなるかな。
↑ ↓ ゲームの空戦動画。
にじみ出すリアル感が、しぶきをあげて、顔に降りかかってくる作品でした。
「紅の豚」とか「風立ちぬ」とかを視聴するときに、
参考文献にしても、良いのではないでしょーか。
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