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フライボーイズ(2005年)【フランスに来たのに全員フランス語が喋れないなんて。仕方ない。じゃあ映画紹介でもするか】

第一次大戦の空中戦もの。
複葉機による空の戦いは、今となってはファンタジックなものである。

岡田斗司夫センセによると、
人間の反応速度で戦えるのは早くもこの時代が限界らしい。

これが第二次大戦になると、もう、
シュっとしてパッと。
その後のジェット戦闘機の時代ともなると、
もはや人間にはついていけない。

ガンダムのサイコミュ搭載機や、
戦闘妖精雪風の世界だ。
ニュータイプや人工知能の世界で、
普通の人間はもはや足手まとい。

そこまでいかなくても、
レーダーを使って見えない距離で勝負を決める。
会ったときには勝負はもうついている。

というわけで、まだ人間が戦っている古き良き(?)時代の航空戦である。

しかし、ハリウッドは航空ものが嫌いだ。
トップガンシリーズという稀有の例外を除いて、
空中戦ものはすべて大コケしている。

ステルスとか。

なんでなのか、よくわからない。
男性はけっこう、潜在的視聴者になると思うので、
手堅くいける分野ではなかろうか? と思うのだが。

かつてはそのニッチを日本アニメが独占していたくらい。
(マクロスとか。アメリカではロボテックシリーズと呼ばれる)
今は、日本でも空中戦ものが少なくなった気がするけど。

****

とあるアメリカ人の主人公は、
義理と冒険心でフランスの戦闘機パイロット募集に応じる。
まだ飛行機すら馴染みもない時代だ。

そうしてフランスに行った彼は、
現地の看護師の女の子と出会ったり(結ばれない青春の淡い想い出)
フランス語を喋れないアホどものために、
わざわざ英語を喋ってくれるジャンレノ中佐と、
尊敬できる有能な敵と、
仲間を惨殺した残酷で憎々しい有能な敵に、恵まれる。

フランス軍の淡いブルーの制服が美しい。

戦いの中で青春を、もとい成長していく主人公。
もう後は勝手知ったるハリウッド映画の世界。
コンパクトにまとめて、かつレアな時代を扱った戦争映画は、
まあ悪くはない。
航空ものだからか、残酷さとかもさほどない。
空戦という舞台の魅力をきちんと引きずり出せている。

たぶん過去作へのオマージュもある。

あとは、いつもと違う点として、
ヒロインの女の子とはそのまんま、
あの時、会って別れたまんま、フェイドアウトする。
というリアル志向にしてある点。
ここらへんは往年のハリウッドとは違う。
まあ、ひいじいさんの青春の思い出風にしてある。

ちょっと変えてきたな。

まあしかし、やっぱりそれほど売れなかったみたい。
とはいえ、完結度が高いので、不服は無い。
続編を考えるような作品ではないのだ。
パッとやってパッと終わり。
「こういうのでいいんだよ」と言える安心安定のエンタメ。

古式ゆかしい複葉機の世界が描かれる、
レアな舞台の映画としては、まあ紹介に耐えうる作品だと思う。

機種はコスト削減のために統一されてたみたい。
ガンダムみたいにたくさんの種類は出てこない。

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