2000年代海外SF傑作選【きっと読書紹介になってるはずだ!】
長編ばかりだと大変なので、この辺りで短編集を。
(あれ、エンデは短編集だったかな?)
短編アンソロジー集。
本当にアンソロジー集です。
外国SF作家の短編を、編集の好みで選抜してます。
2010年代アンソロジー集もありますが、それは読んだことありません。
さてゼロ年代と言えば・・・
世相との絡みを書く野暮な感想は止めときましょう。
私がこの中で特に気に入った作品は、
ダリル・グレゴリイの「第2人称現在形」
あらすじを簡単に書くと、
アメリカのティーンエイジャーの間で新しいドラッグが流行り始めます。
それは意識を消失させるもの。
意識を消しても人間はなんともなく生活できるみたいで。
いやいや、またこのテーマですか。と言われるかもしれません。
最近「人間には意識は実は必要ない」というテーマをよく取り上げてばかりかもしれない。
違うのは、この薬を使いすぎると、戻った時に別の人格になってしまうこと。そう、戻ってはきます。元通りになります。
ただし過去の人格は永久に消えてしまい、まったく新しい別の自分になってしまいます。
当然ながら周りはそれを認めてくれません。でも本人は過去の自分ではありません。
それはともかく、これはSFよりのSF、ではなく小説よりのSF、というテイストです。
物語の方に軸足を置いてるんですね。
別人格になった少女と、その少女をかつての自分たちの娘だとみる両親との、どうにかして関係性を再構築していくお話。
そしてビターエンドです。
そこがいい!
嘘ついてない感じがいい!
(ぐにゃり)と、心がたわむ音がどこからか聞こえてきます。
若者の皆さん、この結末を読むと大人になれます。
大人の階段を上りましょう。変な意味じゃないですよ。
この短編集では他にグレッグ・イーガンの「暗黒整数」も載ってます。
イーガンはなぜか私と相性が悪いのですが、これは気持ちよかったです。
あとは最近では急速に勢いをましている中国SFが一本。
これはその初期のころの作品なのでしょうが、パニックもので意外な面白さがありました。
タイトルは「地火」だったかな。
ネットフリックスで映像化された「ジーマブルー」
犬と猫が人工知性を獲得してご主人を助けにいく怪盗もの「懐かしき主人の声」
うーん、後はきっと時間が経ったらわすれちゃうかな。
今回は短編集の紹介でした。
あまり盛り上がらなかったような気がする。
完全なアンソロジーは振り幅が大きすぎるかも。
ただその分、思いっきりふりまわすので総合的な当たり確率は高いのかもしれません。
私にはこのうちの一本がメガヒットしました。
以下、まじめな書評では・・・・
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