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リンカーンの夢(著:コニーウィリス)【私は読書紹介だったと思うの!「なんだって!!」(あれ、どうしたのかしら?いつもと反応が違う)】

図書館で借りて読んだ本です。
買おうとも思ったのですが、手に入りませんでした。
絶版すぎる!
というわけで当時すでに極めて入手困難だったのでネタバレもしていこうかと思います。読もうと思われた方はお気をつけください。

まあたぶん今ネットを漁れば入手不可能ではないのでしょう。
どうしようかな。読んだことなくて欲しい本もあるんだよな。

以前、コニー先生の短編集を紹介したときに、
長編はまとまりがない話が多い、なんて話をしましたが。
これは例外的にまとまっている感じでした。
と思ったら最初の長編なんで、スタイルがまだ出てないみたいなんですね。

ヒロインが「自分は南北戦争のリー将軍の生まれ変わりらしいんだけど」
とか言いだしたのが事始め。
そういう夢を見るらしいんです。
主人公はリー将軍史跡巡りをする彼女に一目ぼれしてついていきます。
(一目ぼれしたとかどこにも書いてないけど)
物語はリー将軍の立場から南北戦争を説明する解説本の役割にもなっていきます。歴史ものなんですね。

リー将軍目線で古戦場を巡り、ヒロインは自分の運命が何を示しているのか知ろうとします。主人公はひたすらそれについていく。
主人公は歴史小説家の助手なので古戦場巡りはお手の物。

そしてふたりに絡んでくる登場人物も、南北戦争の別の人物の生まれ変わりだったことが示唆されます。
ストーンウォールジャクソンには先立たれるし。
ロングストリートは頼りなく。
みんな史実通りの死を遂げていくんですね。
(タイトルが「リンカーンの夢」ですが、リンカーンの生まれ変わり役の人も死にます)

ヒロインはいぶかります。
「あなたは誰の役なの?」
「さあ誰なんだろうね?」

ところでリー将軍の愛馬トラベラーは、将軍が引退した後、釘を踏み抜いて感染症で死んだそうです。将軍とは再び生きて会うことはありませんでした。

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靴箱に月並みなラブレターが入っている夢を見た。
夢で人生初体験だった。
舞い上がった僕の気持ちは、一瞬にして氷のように冷めた。
「謎の怪人、ネ・タバーレより 愛をこめて」
ネ・タバーレ・・・・いったい誰なんだ?
僕は寒気がした。










******
しっとりしたお話で、大変、雰囲気が気持ちいい作品です。
悲恋の話なんですが、実に美しい。

ヒロインはそのうちいなくなってしまいます。
主人公はひとりさびしい日々を送りますが、
ラストが名文なんです。
「どうした?」
「いや、釘を踏み抜いてしまって」

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