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がん消滅の罠 完全寛解の謎(著:岩下一麻)【読書紹介にも医療ミステリにもできないことをヤリマス 「天気予報です。関東の西からヤリが降ってきます」ヤリマス】

また医療ミステリを紹介。懲りないぞ。
今回は末期がんが奇跡の治癒をしたという謎を解きます。
いや、本当に何かのメカニズムが働いて治ったのであれば喜ばしいのですが、これはミステリです。

寛解とは、一時的にがん細胞が無くなって、目で見える範囲で消失すること。
ただがんは再発するのが定番なので、この後、一定期間を待って再発がなければ、その時点で初めて治癒になります。

今回は冒頭でとある詐欺が出ます。
がんが治るという宣伝のとあるものが、実はCTスキャンのほにゃららを変えただけで、正体がバレたんですが、まあこれはプロローグです。

この後、本当に謎の組織(一見すると普通の病院)がガンを治す、
それも正規の他の医療機関に患者を送り込んできて寛解を実現するという、
一見するとケチのつけようのないミステリが発生します。

謎の組織は、病院というよりは宗教団体のようなイメージがあります。

もちろんミステリなんで、
こんな治療はつまるところダウトなんですけど、
詳細なネタバレはしません。

**
ミステリとしてのパンチ力は決して高くなく、
医学知識を多少は知っている人間なら、
(患者さんとして調べたことあるひとくらい)
なんだそんなことか、と思える程度のトリックです。
ちょっと非現実的ですけどね。

ただ面白いのは、犯人の動機ですかね。
こちらの方がミステリの主軸でして、
なぜあの人が、そんなことをしたのか。
過去のあのエピソードがどうつながって来るのか。

おそらくガンを治癒するトリックじゃなくて、
そっちの背後の人間関係の方が解かれるべき謎になっています。

ただ私の読解力が足りなかったのか、
ヒントらしきものが、後で「あれだったのか?」と
気がつけるようにはなっていませんでした。
ミステリとしては、ものすごいなぞ解きって感じではないです。
(もし私が気づかなかった伏線がバリバリあったらごめんなさい)

続編がありそうなんですが、
(なんか真賀田四季さん以来のヴィラン感がする)
続編があっても読んではいません。

当方、医療関係者ではなくあくまでオタク目線ですが、
まあ医療オタクが面白がれる小説ではありました。

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