revisions 時間SFアンソロジー(大森望:編)【読書紹介という船から別の舟に乗り換えると、おそらくは・・・アニメ感想になるんかな】
えーと、revisionsというSFアニメが公開された記念にというか、
そのタイミングで時間SF短編を6本集めて本にしたという本書。
古典から最近作まで。割と秀逸な作品を集めています。
ですが、肝心のこのアニメは未視聴です。
ま、本書の紹介に移りましょう。
6本はどれも名作の誉れも高き作品ばかりで、
どれも読んで損はない作品ばかり。
タイトルは地味だけど、まあ面白かった。
リチャードRスミス「退屈の檻」
法月綸太郎「ノックスマシン」
藤井大洋「ノーパラドクス」
小林泰三「時空争奪」
CLムーア「ヴィンテージシーズン」
津原泰水「五色の舟」
「時空争奪」は読んだことある。小林泰三短編集で。
「ノックスマシン」と「ノーパラドクス」は普通に面白かった。
「ノックスマシン」はノックスの十戒とタイムトラベルの関係性。
「ノーパラドクス」はタイムパラドックスが普通に存在する世界でのタイムパトロールの話。
海外作家陣は、ちょっと古い作品なので物足りなさを感じる。
そしてトリを飾るのは「五色の舟」
今回はこれを中心に語ろう。
まあ戦時中の話、奇形の体を持つ者たちが生きるために自らを見世物として、日銭を稼いでいくのですが、
そこへ「くだん」という怪物の話が出ます。
くだんはヒトの顔を持った動物で、なにやら未来のことを予言すると死んでしまうというやつですが、今回の「くだん」は軍に秘密兵器として飼われているようです。
敗戦も近く、社会の空気は荒んでいます。
足のないお父さん、
腕のない僕、
シャム双生児の片方が死んだので切り離した、体の曲がった妹。
牛の足のおばさん。
小人症の兄さん。
いずれも血縁なんてありません。
一家は船の上で暮らす極貧生活でしたが、
そんなんでも僕は家族の中で居場所を感じていました。
僕と妹だけ、念話みたいなもので会話できます。
あるとき、夢を見ます。
海の真ん中で、向こう側から来た船にお父さんが乗り換えてしまう。
こっちにもお父さんが残るけど、それは前にいたお父さんとは違う。
そして船は行ってしまう。
さて、ある日、僕と妹はくだんのところに連れていかれます。
そして・・・・・
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物語の中では物理の法則も自由自在です。
ただし物語の中では物語の法則に縛られます。
物語には類型があり、いくつかの方向性で分類することができますが、
短編ではどういう分類をしたものでしょうか?
いずれにせよ強く印象に残る作品でして、
肝心の本のタイトルなんだっけ? と後で困ることになりそうです。
あとタイトルアニメも機会があれば。
「漂流教室」をロボット学園ものにした雰囲気の作品みたいですね。
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