別式(著:TAGRO)【これは斬られたな。ならば私にも読めてもいいのではないだろうか? マンガ紹介がっ!】
日本の時代劇キュートポップ。
どことなく新宿渋谷線的な価値観を漂わせる江戸時代の、
美少女剣士たちの物語。
(あとイケメンが2名)
なんとなくカワイイ路線系かと思いきや、
ストーリーの渋さ。大江戸犯科帳並み。
なんでこんな作品が成立したんだろ。
本屋の店員だった弟が自信をもって本棚に埋蔵した作品。
キュートポップなキャラが渋い物語を送るという、
そういうスタイルのマンガ。
脚本、伏線、伏線回収はしっかりやっています。
ある意味で読者に強烈な印象を与えます。
なんというかヤクザ映画やノワール映画に通じるものがある。
パッとしない結末にたどり着くのだけど、
それが逆にリアリティと哀愁をもたらしている。
その切ない喪失感が味わいを与えていくという。
いわゆるエンタメ路線という感じじゃない。
楽しければいいってもんじゃない。
人生は渋いんだ。
渋谷なんだ、あっ。
(渋谷はまったく渋くないんじゃないか?)
いや、渋谷で世知辛い人生を送っている人もいるはずだ。
気を取り直した。
とにかくハッピーエンドには程遠いけど、
そこが登場人物が精一杯に生きている感を出している。
ただ渋いだけじゃなく、おギャグもきちんと入っていて、くすっと笑える要素もある。
そこはマンガ。
ものすごくウケるという作品ではないけど、
こういう作品があるのは、マンガの国ならでは。
マンガの国のマンガは層が厚いのだ。
日本の漫画文化の深さと厚さがなんとなく仄見えてしまう。
それ、作品自体には関係ないんだけど。
個人的にちゃんと剣豪している女子たちが気に入っている。
るろ剣が聖闘士星矢だとすると、これはセーラームーンみたいな。
かつ惚れた腫れたの世界もちゃんと両立している。
違和感なく剣豪しているので「隠れた名作」扱いされるのもむべなるかなと思う。
第一巻の感想がね。読書メーターでは見つからん。
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