アルバトロスは羽ばたかない(著:七河迦南)【読書紹介も羽ばたけない。だから歩いていくことにしたんだ】
名作ミステリで検索すると必ず入って来る作品のひとつ。
ええと、児童養護施設の話です。
虐待とかされて、子どもを親の元においておけない場合とかに、
子どもを育てる場所。
主人公はそこの先生のひとりなんですね。
短編オムニバス形式で、いくつかの話を短くまとめつつ、
背景に大きな物語を置いています。
実は前作があるのですが、
前作は本当にたたの短編オムニバスだったようです。
前作は未読です。
しかし「前作は」と来るのですから、
本作は一味違います。
最終話を読むと、最初からぜんぶぶっ通しで、ひとつのミステリが語られていたことに気がつく、という構成になっています。
そんなに難しいミステリではないらしく、
わかる人にはわかってしまうフェアプレイの本書です。
ツッコミどころもあるとか。
(ぜんぜんわからんかったけど)
児童養護施設ですから、
重いものを背負った子どもがたくさんいます。
そういった話が続いていき、しんみりしつつも、いい話になっています。
小説として、この部分だけでも楽しいですね。
そして。
ミステリとしては珍しく、
そんなに読後感の悪くない話です。
悲劇は起こるのですが。取り返しがつくというか。
そういった事実を乗り越えていくという未来への希望が語られているような気がします。
これは良いラストですね。
児童養護施設という最初から十字架を背負わされた子どもたちの話としては、ある意味でバッドエンドと言えなくもないですが、希望があるし、
相当に明るいエンディングと感じました。(え?)
いや、ありますよ希望。希望そこにあるよ。
ミステリとしてだけでなく、物語としても合格点です。
万人に自信をもってオススメできる小説でしたね。
映像化は厳しいかな。
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