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アイアンクロス ヒトラー親衛隊《SS》装甲師団(2015年)【久しぶりですね。映画紹介さん。「ああ。さあ行こう」】
ナチス武装親衛隊の兵士を主人公にした異色作。
さすがにWW2から年月が経過したので、
こういう敵側の視点で描く作品も、ふたたび散見されるようになりました。
一時期はタブーというか、やると監督が干されてしまうというか。
ただ、ポリコレとまではいかないものの、
ナチス側の矛盾も描写することで、文句を言わせぬ出来にはなっております。
といってもバリバリユウバリ戦争映画ですので。
まあ、純男性向けだと思います。
***
主人公は愛国心を信じる青年。
教えられたことを実直に信じて、
愛国心に基づいて戦争に参戦します。
まずはクルスクの会戦から。
最近のクルスク戦ではなく、
WW2の史上最大の戦車戦ことクルスク大会戦です。
(特に戦略上の要衝でもないのに、同じ場所が戦地になってるんだなあ)
ついでノルマンディーの戦いに転戦。
武装親衛隊の一けた台の部隊は、
めちゃくちゃなエリート師団でして、
装備も最優先されます。
最新兵器が来ます。
そんな環境で戦い続けていると、
超ベテラン兵になっていくのですが、
頭の中身は年齢相応の若者です。
てか、若造というか、子どもとまで言わんけど。
また武装SS兵士となると、捕虜も殺してしまいますし、
逆に捕虜になっても殺されてしまいます。
慈悲無き戦い。
後輩がやってきて、あれこれ面倒をみてやったり。
2人が3人に。
特に親しい戦友が死んでしまい、
3人が2人に。
妄想をはかどらせて、3人で仲良く酒盛りをするのですが、
ふと現実に変えると2人。
別の戦友が妻に残した形見を届けに行くと、
その妻がゲシュタポに逮捕されてしまいます。
奥さんはユダヤ人だったんですね。
(上述の矛盾の要素)
旦那が生きてるうちは逮捕されないのですが。
「悪いことは言わない。関わるな」
とゲシュタポのおじさんに説得されてしまい、とぼとぼ戦場に戻る。
もう戦場にしか、気をおける場所がない。
そんな中で、主人公も戦死してしまい、
先に行った仲間と、後輩の戦いを見届けることに。
「すいません。頑張ったんですけど、ダメでした」
2人が3人に。
そして争いのない光の大地を、3人で歩いていくのでした。
(この時点でも迷彩スモックを着てる)
これ、読んでると悲しいお話のように読めるかもしらんけど、
描写はそうでもない。
むしろ敵の兵士もちゃんと人間だった、というテーマだ。
最後は、あの世なんだろうけど、悲壮感はない。
戦争映画の中では、陰惨さは少ない。
ああ、ネタバレしちゃった。
まあ、これを観る人は、これを読んでも観るだろうなとは、少し思ってる。
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