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ふわふわの泉(著:野尻抱介)【読書紹介です!「ダメだよ。もっとゆるくないと、そうだな・・・」】

オビにはまだインターネットもニコ動もなかったころ。
と書かれています。
インターネットはすでにありましたが、まだ掲示板文化の時代ですよ。

その時代に書かれた本書は、
女子高生の科学部部長がひょんなことから、
「ふわふわ」と名付けられた超軽量建築材を偶然に発見してしまい、
それを生産する大企業を立ち上げてしまうところから始まります。
(会社名でもあります)

エンジニアビルディングの話ですね。
腹心の男子副部長もそのまま副社長になります。
くっつきそうでくっつかない感じです。
モルダーとスカリー、って誰も知らないか。

技術の明るい未来をほんわかと信じる物語で、
硬めの専門用語ではなく、ゆるいネーミングセンスと、
とにかく楽天的でのんびりした自由なマインドのもとに、
軌道エレベータまで作っていく展開。

「ふわふわ」を使って作られた発泡スチロール状の建材は、
通常の建材の100万倍の軽さなので、
メガコンストラクチャーも無理なく作れる素材です。
なづけて「ふわふわけーき」

軌道エレベータは宇宙でブリの問題で難しいとなると、
代替案を出して、軌道リニアモーターカーを作ります。
発着場の名前は「地球ポート」ではなく「カタパルト西口」
空飛ぶ社長室はふわふわ1号。

社長はゆるい雰囲気がいいんだよ。との仰せです。

途中に出てくる南の島の大統領や、
ファーストコンタクトをしてくる地球外知的生命体も、
おしなべてふんわりとした設定なのです。

深刻ぶらないSF。
明るい未来象の提示こそはSFの使命、なんてのはさておき、
ふわっっっとしたSF小説を読んでも、
いいんじゃないでしょうか?

さらにエンジニア上がりの経営者のビルドゥングスロマンでもあります。
ふわい設定の女社長さんですけど。

技術の進歩をとにかくネガティブに受け取らない緩さが大切です。
肩の力を抜きましょう。
今日はそんな感じでの小説を紹介してみましたぞ。
いろんなとこの力を抜いてみましょう。

ちなみにこの作品のモチーフとなった名作は以下に。

野尻先生の本は以前にも紹介しました。こちら。


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