読書日記・内容は面白い、それが救い
5月9日(火)
息子が「一緒にしよう」と誘ってきた、マリオの1000ピースのパズルがようやく完成した。パズルを買った当初、3ピースつなげたところで「疲れた」と言い放ち逃げてしまった息子は、その後も毎日少しずつマリオの顔部分だけは仕上げようと奮闘し、しかし思ったようにピースが見つからないので「あとはママお願いね」と声をかけては逃げる、というのを何度もくり返していた、あのパズルがようやく完成した。クッパのウロコ部分に思った以上に苦戦してしまい「何でウロコなんてあるのよ!!」と何度か思ったけれど、クッパは亀だからウロコがあるっぽい。ウロコは皮膚が乾かないようにするためにあるらしい。でもクッパってずっと陸にいるよね??ウロコ要る??????
読んでいたのは、ニーナ・デ・グラモンさんの『アガサ・クリスティー失踪事件』。
私はクリスティー大好き人間なのだけど、クリスティー失踪事件についてはきちんと知らない。この本は失踪事件の真相が描かれているお話ではなく、失踪事件をモチーフにした小説なので事実とは異なるはずなのに、本当にあの事件はこうだったのかもしれない、という気持ちにさせられてしまうのがすごいなと思った。本当の失踪事件を知っている人にとってどう見えるかはわからない。私は本当の失踪事件を知らないから、単純に『アガサ・クリスティー失踪事件』が楽しめているのかもしれない。ただこの本の語り手(?)が夫の愛人なので、そこは不快に感じる部分もある。愛されている女性(愛人)が、愛されなくなった女性(妻)について語るというのは、ちょっと不愉快になっても仕方がないよね、などと思ったりした。内容は面白い。それが救い。
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5月10日(水)
娘10歳、息子8歳にして、ようやく子どもたちのアルバムを作成しようと思い立つ。赤ちゃんの頃からの写真を眺めながら、印刷するものを選んでいったらあっという間に100枚を超え(ここまで3分間の出来事だった)、待て待て、ちょっと落ち着きなさいよ、2000枚は軽く超えている写真たちを全部印刷する勢いじゃないの、そんなに印刷してどこに収納するっていうのよ、あと印刷代もいくらかかると思ってんのよ、と自分にツッコミを入れる。印刷するまでの道のりが、果てしなく長くなりそうな気がして怖くなってきた。そして昔の写真にうつる自分が、わりと細くてビックリする。体重はそんなに変わっていないはずなのに、これは体形が変わっているということの証拠写真か??
読んでいたのは、結城真一郎さんの『#真相をお話しします』。
5つの短編集が収録されているのだけど、一気読みするのがもったいなくて一日に1つずつ読んでいた。ようやく読み終えて改めてミステリーは面白いなと思った。どの短編も現代ならではのミステリーなんだけど、とくに「#拡散希望」はノンフィクションでもおかしくないような部分もあり、それだけ現代の当たり前がどんどん変わってきているんだろうなという、恐ろしさをも感じさせる作品だった。「どんでん返し」が売りらしい本だけど、個人的には「どんでん返し」よりも、この物語たちに対して「こういうことって本当にありそうだよね」と思ってしまうことのほうが怖かった。「令和を生きる私たちのニュー・ノーマル」という言葉が重みを増している。とても怖い。でも面白い作品だった。