「恋する日本語」から、言葉を咀嚼する楽しさを学んだ
セミもいつの間にか鳴かなくなり、体に触れる風が「秋ですよ!」って自己主張して知らせてくれる今日この頃。聴く音楽も、少しずつ変わってきて、なんというか、しんみり系バラードやチルポップ系が 1 日を通して心地よく聴ける季節になりましたね(あくまで個人的な感想です)
まだ秋、まだ10 月なので、わたしは朝ごはんを食べない悪習慣から脱却すべく、早起きと朝バナナヨーグルトの習慣化を開始しました。また秋なので、というか伸びてきたこともあり、髪も肩ぐらいまでカットして染め直しました。「"もう" 10 月とは言わないぞ!」と謎の反抗心が出てるだけなんですけどね。
また、いつもは好きな音楽に関してつらつらと書いているんですが、せっかくなので、我が家の積み本の中から 1 冊紹介しようかなと。読書の秋ですし。
日本語と妄想がお好きな方へのおすすめ本。
幻冬舎文庫より出版された、小山薫堂さんの「恋する日本語」。文庫化は 2009 年。わたしがちょうど 20 歳で、お酒って美味しい!って言ってる頃ですね。
ジャケ買いに近い形で、この本もタイトルに惹かれ、すぐ手に取り購入しました。購入は確か 2011 年頃だったと思います。(タイトルだけでなく、裏表紙の内容説明、一度開いたあとのフォントの雰囲気や読みやすさ、あとがきも最高だったのも購入理由ですが)
なにより気に入った表現は、
この本を開いて日本語を咀嚼してください。
咀嚼って言葉のチョイスに、さすが放送作家、日本語を扱うプロだなって感じました。
この本では、日本語(単語)に対しての恋愛に関するショートストーリーが 35 も用意されています。妄想族にとってはキュンとするものばかりですが、1 つだけ紹介させて頂きます。
僥倖(ぎょうこう)
新しいハイヒールを履いて
買い物に出かけたら、
突然、雨が降り出した。
ひとりで、雨宿り。
最悪の日曜日。
しょんぼりしていると、
目の前で車が止まり、私を呼ぶ声がした。
それは、前からちょっと気になっていた
会社の先輩だった。
「どこかまで、乗っけてってあげようか?」
このあとの展開、どうなるんだろうって、そわそわしません?
日曜日だし、そのまま一緒に出かけるのではないか。雨だしカフェでお茶でもどう?的な。今までに比べて、距離が縮まるキッカケの日になるんじゃない?
って心のなかで、わたしはニヤニヤしながら読んでました。ドラマ化するならヒロインは桜井日奈子ちゃんで、相手役は中川大志を強く希望します(調べたら、NHK で昔ゲストヒロインという形でドラマ化していたようです)
ちなみに単語、ショートストーリーのあと、次のページにその単語の意味が書かれています。
そっか、「僥倖(ぎょうこう)」ってそういう意味なんだって知って、また前のページを読み返す...という楽しみ方ができます。
写真が全体的に雑なので伝わりづらいかもしれませんが、絵もフォントも可愛いんです。(絵はソリマチアキラさん、本文とカバーデザインは鈴木成一デザイン室とのこと)
だいぶ前に購入した本ではありますが、ふとしたときに開いて、読み返して、小山薫堂さんがおっしゃっていたように「日本語を咀嚼」させてもらっています。他にも「玉響」「泥む」「洒洒落落」など、普段の生活で聞き馴染みのない日本語が楽しめます。他のストーリーや日本語が気になったら、ぜひ購入をご検討してくださいませ。
若いときに読むのと、歳を重ねてから読むのとでは想像の仕方や感じ方、捉え方が変わるから本は面白い。だからなるべく、わたしは本は買って手元において、いつでも読み返せるようにしています。
そのせいで、手の届くところに本を積みがちなんですけどね。
(本棚買う→そこから読みやすいように近くに積む→本棚にスペースできる→スペースあるって勘違いして新しい本を買う→本棚が…足りないだと…のループから抜け出せなくて困っています)
おおいに余談ですが、秋になると必ず思い出し、口ずさむ曲があります。
hiroの「Treasure」
風がもう冷たいね 陽射しが穏やかだね
あなたと過ごす季節が また一つ増えてゆく
最初の歌詞が秋らしくて、毎年思い出す。
またSPEED、来年 25 周年ということでアルバム出すってニュースありましたね。全シングルとアルバム曲、そして未発表曲が入ってるって..SPEED 世代の心は揺れています。
過去 note で 少しだけ SPEED について書いたのがあるので、お時間あれば。
(本の話から最後 SPPED の話に飛躍しちゃいましたが、本好き・音楽好きの方、ぜひフォローやスキお待ちしています!)