見出し画像

ウクライナ軍実在の狙撃手が脚本に参加した映画「スナイパー コードネーム:レイブン」/2年前観ずにレビューしたので改めてレヴューしたい

2年前のレビューが早すぎたようだ。

ウクライナ軍の狙撃手として戦う主人公の目を通して、ロシア・ウクライナ戦争を描いた戦争アクション。

2014年、ウクライナのドンバス地方で戦争が始まり、物理学者のミコラは妊娠中の妻を殺されてしまう。平和主義者だったミコラは怒りにかられ、自らの主義を翻してウクライナ軍に入隊。過酷な訓練に耐え、みるみるうちにエリート狙撃手へと成長する。戦争は激化し、自分を育ててくれた先輩狙撃手もロシア軍に殺され、一層の復讐心をたぎらせるミコラ。そして2022年2月、ロシア軍が首都キーウへの攻撃を開始し、ミコラはロシア兵狙撃作戦に参加する。

ウクライナでは「伝説の狙撃手」として英雄視され、敵対するロシアからは恐れられる実在のスナイパー、マイコラ・ボローニンが脚本に参加し、復讐と戦争の狂気に取り憑かれた男の光と影を映し出す。

2022年製作/111分/ウクライナ

https://eiga.com/movie/98489/


感想

バックグランドを考えずに観れば、腕利きスナイパーの英雄伝で妻を殺された主人公の復讐劇。
ウクライナ政府公認の映画なので、ロシア兵が次々に狙撃で殺されていく。

現実はロシアがウクライナに侵略してきた戦争なので「正義が勝つ」という意味では、「悪を倒す」スカッとする映画のはずだが、視聴した後味は悪い。

戦場で兵士たちは「国を守る」という一心で戦っていると思うが(ロシア兵はどのようなモチベーションで戦っているのだろう? ロシア系ウクライナ人の解放?)、映像に出てくるのは「顔も知らない相手を殺すこと」の繰り返し。妻を殺したロシア兵を殺すところだけは復讐なのだが。

最後のシーンにつけ加えたのか、主人公が雪中でスナイプをする場面で終わり、字幕には「2022年2月 キーウ近郊」と表示される。

「罰を下すのは私ではなく神の手」
「敵を駆逐させたまえ」
の呟きで終わる。

あと数ヶ月で戦争開始から3年経つが、極東から兵隊を出兵させる国まで現れ、この争いが終わる気配はない。

国際連合という、各国から負担金を徴収する名ばかりの団体(日本は毎年2億ドル以上払っている)は、侵略国の批難決議すら出来ない。


人間の愚かさを感じる映画だった。

追:
どうでもいいことだが、計算が早くて頭の回る人がスナイパーに向いているらしい😊
(主人公の設定は物理・数学の教師)

MOH



この記事が参加している募集