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大人になるとは

透き通るような
濁りのない澄んだ水の流れに
まっすぐ届く天の光
心地の良い風が吹く
目の前に広がるこの風景は
私の心そのものだった
しかしそれは、大人になるにつれ
少しづつ変わってしまった

これは、成長記録である

夜の仕事をするようになってから
出会うことが多くなった高学歴男子
彼らは時として私に足りないものを教えてくれる
同じレベルの男は私の考え方を横方向に
広げてくれるのだとしたら、
高学歴たちは縦方向に
私の思考を高めてくれる

こんなことを言うのは失礼だが
お世辞にもルックスがいいとは言えない
それなのになぜこんなにも
惹かれるのだろうか

外科系のお医者さんと付き合っていた時のこと
私とは全く別の職業で急患がでたら
デート中でも仕事に向かうし
休みも不定休
かまって欲しい時にそばにいてくれない
でもお金はある
ステータスもある
誕生日当日は一緒じゃないけど
あとで高価なプレゼントをくれる
今なら会えるからと
深夜に呼び出されたら
私はどんなに忙しくても
疲れて眠くても
ぴょんぴょん飛んで会いにいった
それはただ私が単純な女だからかもしれないが
人の命を救う彼を癒してあげないと
助かる命も助からなくなるのでは?という
私なりの考えもあって
誘われた日はなるべく早く
駆けつけるようにした

一緒にいれる時間が短くても
その瞬間は幸せをくれるのが
高学歴のいいところ
嫌がるようなことはしないし
むしろその辺の男より優しい
それに今まで経験できなかったことを
体験することができた
高級ホテルのディナーやバーに行ったり
LIVEを特別席で鑑賞したり
深夜に高級車でドライブなんて
貧乏育ちの私には夢の世界だった

身も心も私を愛してくれていると
錯覚するほどに彼らは本当に優しい
それなのにその優しさは
作られたものであることがほとんどだ
高学歴たちは大学に入学した時から
人生のモテ期を迎えるらしい
恋愛とは程遠かった人生を歩んできた
彼らにとって、それはものすごく
刺激的なことであり
残酷な現実である
高学歴になるという夢を
親や学校の意思により作られ
それに従ってきた人がほとんどで
そのあとは、高学歴というジュエリーを
欲している女によって作られた夢を
叶えていかなければならない
それゆえに結婚が早く
子供ができるまでも早い
彼ら自身の意思ではなく
その周囲が決断を早めてしまうようだ
そうやって彼らが気づかないうちに
周囲の期待に応えようとした結果
優しく賢い人に成長する
もちろん捻くれていたり
反発して育つ者もいるだろう
幸い私が出会ってきた人は
例外なく優しかった

彼らのコミュニケーション力も
勉強になることが多かった
私自身が頭の悪い身分であるのも相まって
余計にそう感じるのだろうか
彼らはしっかり考えを持っていて
論理的に話してくれる
それが世間から見たらどうか
というのは置いておくとして
なんだか納得できる
知らなかった知識も増えた
彼らとの会話で得た情報は
昼職で活用できる時もあった
貰い物の話を自分のことのように
自慢げに話せた日は
彼との出会いに感謝した

仕事で評価を得て
プライベートも充実してて
何不自由なく生活できている
それなのに、
言葉にできない寂しさが襲ってくる
彼らは本当に優しい
でもその優しさが恐ろしい
お金もあってモテる彼らが
私だけを愛しているはずがない
それを気にしだしたらキリがない
残酷なことに
優秀であるが故に嘘もうまい
と思いきや
嘘をつくのは苦手なようだ

あくまでも彼らは
日常から離れ、
夢を見に来てくれた
私の大切なお客様であることを
忘れてはいけない

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