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いい加減、ふつうに生きるの諦めたい

就職活動をしていた大学院生のとき、どう頑張ってもみんなと同じように何十社も受けられなくて、苦しかった。学部時代には選べなかった「就職活動」という道を、やっと選べたと思ったらこれだもの。

どうして、みんなと同じようにできないんだろう。

不安で悩んでどうしようもなくって、何度かお話しした店主さんのいる小さなカフェにやってきた。

「あなたは、それでいいのよ。自分の軸があるんだから」

そうやって、力強く背中を押してもらったのを覚えている。

社会人2年目の夏。1年ほど前からずーっと体調が悪い。

「もう無理だ」と、何日も何日も日記に書き続けたある祝日の仕事で。もう、もうここにはいられない……と倒れそうになった。

帰ってから自転車で河原に向かう。風に吹かれながら、ふと思った。

もう "ふつう" でいるの、諦めたら?

ふつうに生きられている人たちに、答えを求めても出ないよ。
私のほしいものは。ほしい答えは。

きっと背中を押してほしいだけ。どんと強く。

昨日、踊りとヨガをしているクリエイティブな友人と話した。「歌ってもイベントやっても誰のためにもならない気がして、届かないのが苦しくて進めない」と。

「そりゃ、簡単には届かないよ。私たちはそういうの、諦めたところから始まっているんだから」

社会不適合だもん、しょうがないよ、と彼女は朗らかに笑う。

私はおそらく、この社会の一般的な枠にはまっていない。どんなにはまろうとしたって、はみ出してしまう。そもそも私のやりたいことは、その枠組みの中にないのだから。

それなのに必死にしがみついて、その中で評価されようと足掻いて、結局全滅してきた。一般的な成功法みたいな本を読んで、全然ピンとこないくせに「それは勉強不足だからだ」と恥じた。

「私ふつうじゃないのかも」とずーっと気づいていたのに、ずーっと思い切れなくて。ふつうとふつうじゃない私の狭間で、引っ張り合いっこされて進めなくて……そんな自分が嫌になる。

やっぱり、私は諦めさせてほしいんだ。ふつうに生きることを。

「もえかちゃんは、やりたいことがある人なんだよ」
「こっちに来るのはいつでもウェルカムだよ」

彼女の言葉は、そんな私の迷いを全部見透かしているかのようで。あの日みたいに、力強く背中を押してくれた。

私に道なき道を切り開く力なんて、あるのだろうか?
まぁなくたって関係ないか。

どうせこの道しか進めないのだから。

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