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【京都の駒札⑮】六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)

 天暦五年(九五一)、疫病平癒へいゆのため空也上人により開創された真言宗智山ちざん派の寺院で、西国三十三所観音霊場の第十七番札所として古くから信仰を集めている。空也上人の自刻と伝えられる十一面観音立像(国宝)を本尊とする。
 空也上人は醍醐天皇の第二皇子で、若くして出家し、歓喜かんき踊躍ゆやくしつつ念仏を唱えたことで知られ、今に伝わる六斎ろくさい念仏の始祖である。
 往時は寺域も広く、平家の邸館や鎌倉幕府の探題たんだいが置かれるなど、源平盛衰の史跡の中心でもある。宝物館には定朝じょうちょうの作といわれる地蔵菩薩立像のほか、空也上人立像、平清盛坐像、長快ちょうかい作の弘法大師像など数多くの重要文化財を安置し、境内の十輪院が仏師運慶一族の菩提寺であったことから、本尊の脇に祀られていたという運慶・湛慶たんけい坐像も所蔵している。
 年中行事として、正月三が日の皇服茶おうぷくちゃ、八月の萬燈会まんとうえ、かくれ念仏として知られる十二月の空也踊躍ゆやく念仏(国の重要無形民俗文化財)が有名である。

2013年2月12日撮影


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