見出し画像

新しい主治医

この頃、娘に出ていた症状は

酷い頭痛
痙攣
肘の冷感
手足や半身の硬直
足のつり、痺れ
意識消失
胸部痛み
強烈な眠気
気分の沈み
息苦しさ 不安感
幻覚

心身ともに絶不調でした。

これに当てはまる病名はいくら探しても
ありません。
娘自身も次々現れる不調に不安で
絶えず病名を探していました。
もしかして私は死んでしまう病気では
ないだろうかと、不安で泣いていた事も
度々ありました。

やっと娘を小児科の先生に
診てもらえる日
娘は眠気でフラフラで受診しました。
先生に質問されても
ボーっとしていて、あまり会話になりません。

「お薬が強すぎてるね
授業受けるの大変だね
これじゃ授業なんて受けられないよね
部活出来てるの?凄いね」

先生は優しく声かけしてくれますが
娘は他人事のように小さく頷くだけです

「授業は座れてても
受けてないのと同じだなぁ…
強すぎる薬を先ずは減らしながら
とりあえず出来る検査からして
他の疾患の可能性も診ていきますね」

そう言って先生は今後していく検査を
説明してくれました。

何一つ娘の状況が変わったわけではないのに
今日から娘の主治医はこの先生なのだと
安心した気持ちになりました。

「今日は採血もしましょう」

診察室を出て
下の階にある採血室へ連れて行こうと
娘を軽く支えながら歩き出しましたが
娘の足取りがどんどん鈍くなります。
「しっかりして!行くよ!歩いて」
耳元で声かけしますが足取りは鈍くなる一方
目も開かなくなります。

近くにいた看護師さんが
様子に気付いてくれました

「お母さん!ちょっと移動心配ですね
私も一緒に行きますね」
「すみません。ありがとうございます」

看護師さんと私が両側から支え
エレベーターに乗りました。

「おーい○○ちゃーん
採血室まで頑張ってー!もうすぐだよー」

看護師さんが顔を覗き込み声かけしても
娘は目を閉じて反応ありません。
立ったまま眠っているような感じです。

エレベーターが開くと
乗ろうとしていた看護師さんが娘を見て

「大丈夫ですか?私、変わります」

看護師さん2人で娘を支え直してくれ
採血室まで連れて行ってくれました
採血室の入口で看護師さんが
「ベットお願いします!」
大きな声で言われ、何人かの看護師さんが
素早く応援にきてくれました。

「お母さん、大丈夫ですからね。
先生に様子を伝えて
回復してから、採血します。
ここで待っててくださいね」

私は何一つ出来ず、呆然としたまま
つい先程感じた安心感などかき消され
病院の冷たい椅子に、ただ座っていました。

私が飲ませた薬が
娘をこんな状態にさせてしまってる…
私の判断で娘を悪化させてしまった…
私が…私が…

罪悪感が次々私を襲っていきました。

いいなと思ったら応援しよう!