教育格差を語る
おそらく昔から教育格差はあっただろう。そりゃ全体がフラットで平等なものなんてあまり無い。しかし、最近の教育や学校における格差は、著しいものになっている。上がずば抜けている?いいえ、下がズドンと下がっているような、上も下がっているような、そんな状況です。保護者の方はパンドラの箱を開けるつもりで読んで下さい。
暗記が出来なさすぎる
暗記が出来ない。これには主に3つの原因があります。1つはコロナ禍の休校です。あれのせいで、学校は授業を休まざるを得なくなり、家庭学習に頼っていた時期がありました。本来なら学校で時間をかけていた部分を家庭に丸投げです。先生からの「これ覚えなさい」という重圧も、同級生との暗記の競争も、抜き打ちテストもないのですから、覚えられません。
2つめが教科書の改定、もとは教育の改革です。今まで暗記重視だった教育から、御存知の通り思考判断重視の教育に変わろうとしています。てか変わってます。教科書には、考え方などが目立つように書いてあり、暗記や公式などは隅に追いやられています。
3つめは、授業が足りないことです。2の教科書改定も関わってきますが、学校でその年度中に教科書の範囲が終わらないのです。その原因の1つは、思考やグループ活動重視で、単元あたりの必要授業数が増えたことにあるでしょう(実際増えてなかったとしても、教えるのに必要な現実的なコマ数は増えています)。また教員不足も足を引っ張っていますし、総合的な学習の時間や探究活動などが幅を取っている現状があります。
暗記が出来ないって言っても、そんなに問題じゃないでしょ?
と思うかもしれません。しかし体感明らかにレベルが下がっています。例えば小学校高学年で九九が全部言えない子が数名います。地元の学校だと1〜2%で、普通学級の話です。他にも漢字テストの点数が全体的に大幅下落。小学生の漢字テストで一桁や20点未満がゴロゴロいるのです。
また他の塾講師や教員のnoteには、平仮名やカタカナすら怪しいぞという児童生徒が散見されるという話も。
教師、兄や姉がいる親、塾講師、学校の先輩などから言わせてみれば、「前までそんなんじゃなかったのに!?」ということなのです。例えば兄が通っていた頃は、小学生の漢字テストなんて85以上が当たり前、100だってちょっと頑張れば手が届くものだった。なのに弟のクラスは80点超えが1人だけ!?みたいな状況です。
ちなみに外国人の生徒数が増えているのでは、という指摘がありそうです。確かに学校によっては増えていますが、それ以上に点数が悪くなっています。そもそも兄弟で比較していれば関係ないですしな。
格差が広がる事情
こんな状況ならみーんな学力下がっているのかというと、そうとも言えません。やはり上は上へ、下は下へと動いています。その要因の一部は、受験の変化と少子化です。ちょびっと感じるのは学びの多様化です。
子どもは気づいています。勉強しなくても高校や大学に入学できることに。少子化や、高校無償化のお陰で、勉強しなくても入学はできます。こういうわけで勉強しなくなるのです。逆に上を目指す人は、情報戦です。高校受験前に、志望する高校からどんな進路にいけるのかや、進路指導を調べます。大学も、パンフやHP、Youtubeなどで調べに調べます。学校からの情報だけでなく、自分で(あるいは親が)調べるのです。これで上の大学に行きます。
ちょびっと感じる学びの多様化というのは、インターネットの普及と出る杭打ての風潮の薄まりでしょう。子によっては、学年を飛び越えた範囲を簡単に学びます。また不登校も増えていますが、そのなかにはインターネット上のコンテンツ(解説動画など)やフリースクールなどで学ぶ子もいます。学校だけではなくなったのです。
おわりに
かなり簡単に書きましたので、薄っぺらいかもしれません。。。しかし、これはかなり大きな問題ではないでしょうか。学校がこんな状況ですから、学力を伸ばしたいなら自分で動く必要があるわけです。子どもの見えている世界は狭いです。自力で気づくまで待つのは酷にも思えます。塾、ありかもですね。
参考
多くの教師、塾講師、保護者のTwitterとnoteを参考にしました。また、地元の小中学校の事情や、教育ボランティア(小中学生の放課後学習指導で、その保護者と話をすることもあった)での経験を踏まえて書きました。