高校野球、誰よりも泣いていた彼。(エッセイ)
いきなりですが、私が応援していた野球部が今年の夏を終えました。
私自身の出身校という訳ではありませんが、地元の野球部なので端っこの片隅から1ファンとして応援させてもらっていました。この野球部は野球の強豪校で野球留学の子が多い学校でもあり、人数も百人近く居る野球部です。
私には到底理解も想像も追いつかない練習の日々なのだろうなと思いながら、試合の始まりから終わりまで、テレビ中継を見ていました。
惜しくもチャンス時に一本が出ず、敗れてしまった野球部。挨拶が終わっても整列した場所にしゃがみ、悔しさで涙を滲ませる選手達。何度見てもこの場面は胸に来るものがあります。
そんな中、誰よりも泣いていた選手が一人。最後の大会の3年生ではありません。2年生の選手です。彼は泣いていました。彼の周りにいた誰よりも泣いていました。
私は、下級生の選手が3年生の誰よりも泣いている姿は見ていてたまらなくなりますし、今彼はどんな気持ちの中にいるのだろうと勝手に思いを馳せてしまいます。
悔しさ?
悲しさ?
不甲斐なさ?
後悔?
もう、先輩達と野球が出来ない悲しさ?
……上げたらキリがありません。
私はあくまで他人でそこに居る彼らの気持ちの半分もわかっていないのだろうと思います。
こんな文章も綺麗事で美化してるだけかもしれません。
けれど、下級生の彼が誰よりも泣いている姿を見て、私は他人で画面越しなのに
苦しい、胸が詰まる気持ちになりました。暑い中、息苦しい中、観戦も大変な中、神経を研ぎ澄まし一杯一杯になりそうな瀬戸際かもしれない中で野球をしている高校野球の球児たち。
私は定型文を使い古すように言おうと思います。
”お疲れ様でした。勝手に応援していましたが、たくさん応援させてくれてありがとうございました。”