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みだれ髪の読書記録:3月17日~4月3日(「シューマンの指」「月の立つ林で」「神様のカルテ」)

この期間に読んだ本は6冊。
3冊はすでに感想を書いているので、新たに書くのは3冊。

①『シューマンの指』 by 奥泉光

音大のピアノ科を目指していた私は、後輩の天才ピアニスト永嶺修人が語るシューマンの音楽に傾倒していく。浪人が決まった春休みの夜、高校の音楽室で修人が演奏する「幻想曲」を偶然耳にした直後、プールで女子高生が殺された。その後、指を切断したはずの修人が海外でピアノを弾いていたという噂が……。(講談社文庫)

2011年本屋大賞5位作品。
殺人事件は起こるし、犯人らしき人も最後のほうに明かされるから、ミステリ小説と言えなくもないが、はじめからそう思って読むとがっかりするかもしれない。
どこまでが実際に起こったことで、どこまでが主人公の幻想なのか、読み進めるほどわからなくなり、読み終わってから、もう1度頭に戻ってみた。
ネタバレにならないように、1つだけほほう~と思ったことを書いておくと、天才ピアニストの名前だ。修人は「まさと」と読ませているが、これでシュー+マンになるのだ。さらに、漢字表記の時とひらがなやアルファベット表記の時があるが、この辺も計算されている。

全体が楽しめたかというと、かなり微妙。シューマンが好きな人なら、細かい蘊蓄も楽しめるのだろうが、知識がないので、途中で眠くなってしまったりした。
ただ、妻である「クララ・シューマン」の伝記を読んだり、映画を見たりはしていたので、シューマンの人生についてはある程度知っていて、その辺はまだ救いだった。

②『シェイクスピア全集33 終わりよければすべてよし』 by 松岡和子
これは記事を書いた。

③『紫式部と源氏物語の謎55』by 古川順弘
④『NHK知るを楽しむ この人この世界 源氏物語の男君たち』by 瀬戸内寂聴
この2冊も記事を書いた。


⑤『月の立つ林で』by 青山美智子

青山美智子さんの本8冊目。
他の本と同様、5つの短編に分かれていてそれぞれ話は完結しているけど、同じ登場人物が微妙に絡み合う。
そして、少し知識を得られる話、としては「月」について。

他の本とやや違うところは、多少嫌な人も登場すること。でも、実際そう人いるよね、程度の話で、むしろ現実感がある。そして最後は、きちんとハッピーエンドになるので安心し読むことが出来た。

図書館で予約してからだいぶ待ったけど、読むのはあっという間。すぐ返すのももったいないので、ザクっと読み返しながら重要な登場人物だけメモしていたら、あ~この人とこの人同一人物じゃん!というのを何人か発見。ある章では姓だけ登場、ある章では下の名前だけ登場とかニックネームだけ登場とか、まあ、いつものパターンなのだけど、1回目だと気づかない。
実生活でも、こんな風にいろんな人と見えないところでつながっているのかな、気づかないうちに誰かに役に立つこともあるのかな、という夢を与えてもくれる。


⑥『神様のカルテ』 by 夏川草介

2010年本屋大賞2位作品。

栗原一止は、医師不足に悩む信州・松本の病院に勤める内科医。
年中無休で寝る暇もない激務をこなす毎日で、愛妻・榛名との語らいが心の支えだ。そんなある日、大学病院の誘いを受けたことから、栗原は人生の岐路に立たされる。迷い悩む彼の背中を押したのは、高齢の末期がん患者からの思いがけない贈り物だった。
現役医師・夏川草介のデビュー作で本屋大賞第2位となった号泣ベストセラー。

号泣と言われても、たいていはさほどではないものだけど、この小説は本当に泣けた。
でも、悲しさではなく、感動の涙。
テーマとしては重いはずなのに、最初から最後までユーモアがあふれる、かつ専門的な話も必要十分に盛り込まれている。
続編もあるし、映画にもなったらしい。


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