後輩育成、水をあげただけなのに勝手に大木になっていた
我が強くて、こだわりがすごくて、デザインのパーツをひとつひとつ手作りする後輩がいる。
新卒で入社した子で、年下の社員が教育担当についていたけどその人が異動してしまって入社半年くらいから教育担当を引き継いだ子だ。
引き継ぎのときに涙声で前任の教育担当の子から「ごめんなさい、うまく教育できませんでした…」って言われたのを覚えてる。(希望して出した異動と知って、いろいろ彼女なりに悩んだんだろうなと思った)
デザインの最終チェックは上司にお任せしたけど、社会人ルール、基本的なツールの使い方、タスク管理方法、色々なことを伝えた。
新人の子はというとずっとついていた教育担当の人が異動したてで会話もほぼしたことない自分につくことになってすごく不安そうだった。
それでも我が強かった。笑
仕事として外に出せるクオリティじゃなくても、WEB周りの知識が皆無なデザインでも意見は譲らない子だった。
正直新しいタイプすぎる子でどうしようか悩むことが多かった。
半年、1ヶ月、1週間とひそかにその子の指導計画を練っていて、毎日仕事の後にその子の制作物とかメールを把握してはどうしたらのびのびできるのかしらなどと頭をひねってた。
WEB周りのデザインとして成立していないことを説明するために勉強会を開催したり。
納期厳守がクオリティへのこだわり以上に大切だと伝えたり。
人にぶつかる前に説得する方が楽だよなんて処世術を教えたり。
伝えたことはちゃんと守ろうとするし、忘れたことは「前聞いたけど忘れちゃいました!」って聞いてくれる子だった。
失敗もするけど真っ直ぐ前を見てて偉いなっていつも思ってた。
この子の真っ直ぐさが人をなぎ倒さないで引っ張っていってくれる感じになったらいいなあなんて願いだけは持ちつつ、尖っている部分は少しずつ丸くしていこうとしていた。
でもやっぱり、なるべく自由にもしてもらった。
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そんな後輩の作ったデザインがとある雑誌に取り上げられた。
とあるキャンペーンのサイトだったけど、チームのみんなでジャンケンポンで誰がやるか決めて、後輩がチョキで勝ってデザインする権利を得た制作物だ(決め方テキトーすぎるけどみんなおんなじくらいの気持ちでつくりたかったから真剣だった笑)
みんなで方向性を決めて、デザインデータの作り方から相談して。
後輩ちゃんは素敵な素敵なデザインを作り上げてくれて。
テスト確認もみんなで何十回も何日も確認して。
後輩ちゃんに意図と違いそうなところは修正依頼出していいか指示をあおいで。
公開した。
出来上がったサイトを見た瞬間から、これは跳ねるなって思っていた。
自分の意図から曲げない後輩ちゃんの意志がきちんと落としこまれていて、感動した。
雑誌に取り上げられてその雑誌の献本が会社に届いて、なんか泣けてしまった。いや泣かなかったけど、トイレでちょっとジワッと来たけど。
おめでとう。
あまりにステキな2年目デザイナーになっててちょっと悔しい。
でも立派で頼もしくて尊敬もしてる。
折れない心を私ももちたい🍵