ココロの病への理解を深める
私の記事を読んで下さっている方々はそういうことは無いだろうと思うのですが、カウンセリングに来られる方の中には心療内科や精神科、カウンセリングに通っていることを知られたくないとか、そもそも心療内科などに行くことに不安を感じている方がまだまだいらっしゃいます。
そういった方々の不安の多くは、心療内科やカウンセリングに通っていることを知られて「アタマのおかしな人」とか「ヤバい人」と変な目で見られてしまうかも知れないとか、それによって学校や仕事の上で不利益が生じてしまうのではないか、とということです。
メンタルヘルスの重要性が声高に言われるようになり、企業にもストレスチェックが義務付けられてしばらく経つのに、今でもこのような不安を感じる人が減らないというのは、やはり適応障がいやうつ病といった「ココロの病」に対する理解度が低いからと言えます。
心療内科や精神科の初診予約がなかなか取れない現実というのは、そこを利用しなければならない方が右肩上がりで増えているということを意味していると思うのですが、一方で皆さんの周りで心療内科や精神科、カウンセリングを利用していると話している人を見たことはほとんど無いのではないでしょうか?
今でもココロの病を精神論や根性論で片付けようとする人がいるのも事実です。
しかしこういった人は徐々に減っていくであろうとも思うので、これからは上記のような不安も減っていくのかな…と淡い期待もしてはいるのですが、今の状況を少しでも変えなくては今、悩みを抱え病を抱えながらもそれを言い出せずに我慢している方を救うことは出来ません。
まずココロの病というのは「誰でも罹る病気」であること、そしてそれは精神論や根性論で語ってはいけない事、病院で投薬を受けているだけでは回復しないことをしっかりと理解していく必要があります。
かくいう私も自分がうつ病を患うまで、自分とそんな病気は無縁であるというか、そんな病気に罹る可能性があることすら全く考えていませんでした。
ですが自分がうつ病と診断され、仕事に行けなくなり、そのことを会社に告げた時の対応や結果的に仕事を辞めるに至るまでなど、経験して初めて知る事ばかりでした。
病気は罹った者にしかそのつらさは分からないと言います。
確かにその通りです。
コロナに罹ったことが無い人が実際に発症して、その症状から来るつらさを語ったことなどはつい最近のこと。
口をそろえて「自分は大丈夫(罹らない)と思っていた」と言っていたのは印象的でした。
ココロの病も同じです。
罹って初めてそのつらさを理解し、その回復過程の長さや難しさを実感します。
だからこそ、その経験がある人はそれを周りに伝えて欲しい、そんな風に思っています。
カウンセリングに来られる方々にはその最終目標として、自分が掛かったココロの病の事や、それでカウンセリングを受けたことなどを誰にでも話せる自分になるということをお伝えしています。
それは、そういう自分を誰に話すことも恐れず、またそれでどう思われるかということを気にしない、それが自己肯定感だからです。
またそうする方が増えることで社会がココロの病に対する理解を深め、誰もが安心して心療内科や精神科、カウンセリングに通えるような環境になれば、恐らくココロの病になる方そのものも減ると考えています。
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須藤 勝則
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