【詩】ポエム
この街のどこかで
笑っている人たちのなかで
誰かが淋しく笑っている
愛想笑いを浮かべていることもわかっていて
心のうちで肩をすくめて
笑うしかないから笑っている
泣きたくても泣けなくなってしまったから
そうやって想像の仲間を探して
コーヒーを飲む
冬を越えようとするフリージアが風に揺れている
誰かの痛みが揺すぶられていると思ってしまう
花はかなしみや痛みを知っているんじゃないかしら
だからあんなにきれい
数字の羅列を忘れてしまって
何度も嵌め込んではロックされて
言の葉が一筋滴り落ちてくる
ごうごうと鳴りだす