
《ただの感情》と《本音の感覚》の違いを知ることがココロの状態を良くする理由
「COCOPOIROOM」のMAKIです。今回は感情の揺れについて。
日ごろカウンセラーとして活動しているわたしですが、感情が昂ったり、過去の記憶が蘇ってきて「キーッ」となったりすることって結構あります。
人間は感情の動物だと言われるように、感情の揺れはなくならないのだと改めて気付かされます。
特にネガティブな感情に振り回されるとき。
アタマでは『ああ、今、感情がやられてるなあ』とわかっていても、その大きな波に飲まれそうになってしまう。
では、このときの「感情が大きく揺れるとき」わたしたちのココロはどんなしくみになっているのでしょうか?
そもそも、なぜ、嫌な感じのココロの揺れと、ポジティブな楽しい揺れがあるのでしょうか?
嫌な感情、怖いと感じること、避けたいような現実や、逃げ出してしまいたくなる状況、気分の良くない感覚のとき、わたしたちの中でどんなことが起こっているのか、紐解いてみたいと思います。

■まだ何も起きていない今の状況をどう捉えているか
わたしたちは普段、無自覚でいろんな選択をしていますよね。
いろんな要因があって、その結果として思考や感情、感覚などが浮かび上がってきます。
こんなシンプルなことなのに、深く理解できていないと感覚の揺れに一喜一憂してしまいます。
今の自分の判断が「大丈夫、これで間違っていないよ」
と実感できればなにも心配しないものなのです。
ですが、悩みや問題に振り回されているようなとき、わたしたちの感情はとても大きく揺れてしまうものでもあります。
その不安定で不確定なグラグラした状態に不安を感じて、つい避けたくなってしまうのです。そして
「○○にならないようにしよう!」
と、無意識の恐れをベースに行動を決めてしまいます。
悩みを感じているとき、わたしたちは過去の経験から蓄積されたデータを元に目の前のことを判断しています。
まだ、何も起きていない今の状況を
「過去にこんなことがあったから、きっとこうなるだろう」
「だって過去あんなに〇〇だったからまたそうなるに違いない」
と、いつも通りの結論を採用してしまって不安になっているのです。
それはつまり
「こうなるに決まっているでしょ?」
と、どこも疑いようもないくらい過去のデータを信用しているんですね。

それが、自分の好きな、楽しい・うれしい体験によるデータの結論ならいいですよね。
けれど、それが嫌な体験だった場合、不安になってしまうことを一生懸命避けようと潜在意識は身体を使ってフル稼働で教えてくれます。
“恐いよー、危険だ!”
“避けよう!逃げなくちゃー!” と。
その結果が、嫌な気分や不安や恐れの感情、身体のこわばりなどを引き起こしているんですね。
ココロのしくみを知ることで、身体が緊張してしまうような嫌な気分や、不安や恐れの感情を《ただの感情》と《本音の感覚》にわけることができるのです。

■自動的に浮かび上がってくる感情を疑ってみると
潜在意識は、瞬時にイメージしたこと(信じていること)を創造して、そのメッセージとして身体の反応を引き起こしてくれます。
これをわたしたちは嫌うのです。
ああー出来ないー! わーお金がない!
ぎゃー怒られるー! わー嫌われるー!
うわ〜こわいこわい怖いーw
と、潜在意識がデータによって導き出した反応を
“真実だと思いこんで”それを回避するような選択をします。
でも、ちょっと待ってみるとすぐに気がつくはず。
それは、自分が心から求めているモノとは違うものだって。
■《ただの感情》と《本音の感覚》との違いを見極めよう!
思考は、実に巧妙に、わたしたちの気持ちを勘違いさせてくれます。
一般的にイリュージョンとか幻想と言ったりしますが、結論
脳内だけで再生されている極上のストーリーです。
恐れの回避のために選択していたとしても、「わたしはこれが好きなはず、求めているはずだから、選択しよう!」
と過去の習慣によって慣れたものを好きなはずであると思いこまされていることもたくさんあるのです。
なぜなら、慣れたものは未来が想定できるので安心です。
気持ちが揺れないし、落ち着きます。
すると、好ましい感情が生まれます。
たとえ恐れの回避ための選択だとしても、それ自体が慣れてしまっているケースもあるのですね。
それを“慣れた感情の思いこみ”と捉えてみましょう。
すると、その慣れた感情の思いこみは、自分が選んでいると勘違いしているだけだったということになります。
この感覚を取り違えないようにするには、日々の過ごし方が大切になってきます。なぜなら
同じ習慣が繰り返されることによって、蓄積された過去のデータが当たり前のように動きだし、“いま、起こっているかのように”再現され続けるからです。
ですから、いったん、この習慣を打切る必要があるのですね。
ココロのしくみは、慣れたものを選択するように作用しています。
それが一番ストレスがなく、感情も揺れないからです。
このことから、日々の中で、自分の中から自動的に浮かび上がってくる感情をいったん疑ってみることが大切になるのです。
ですが、あまりにも自分の慣れた感覚や、反応などを
「それって本音じゃないんだよ」と言われてもなかなか信じられないもの。
そこで、《ただの感情》と《本音の感覚》との違いを見極める必要があるのです。
■本音を見つける時間を増やそう!
わたしたちは、オートマチックに浮かび上がる思考や感情に振り回されているとき、「嫌な感じだから考え方を変えよう!」と、思考に力を入れても身体の反応は変わりません。
潜在意識の知識を理解していたとしても、不安や悩みなどに繋がる無意識の反応が浮かんでくるからです。
浮かび上がる思考や感情は、無意識の状態が大きな影響を与えています。
なので、考え方や視点を変えようと努力することは、下のイラストのように、とっても狭い領域の「思考」から無理やり力を加えているだけなのです。

これは影響力がとても小さいことがわかると思います。
では、どうしたら変わられるのでしょうか?
■状態から変えるのが正解です
自分の本音の感覚、本質的な状態になれば良い、とわかっていても、不安なときにその本音の自分を創り上げるのは慣れていないと難しいかもしれません。
そのため、普段から自分自身の本音の感覚に触れておく必要があります。
どんなに困ったときでも、不安が浮かんでどうしようもないときでも、
わたしたちはほんの一瞬、気持ち良いな、きれいだな、と感じるときがありますよね?
とても落ち込んでどうしようもないときでも、「お腹が空いたな」と感じたら、ムクムクっと湧きあがる生きる力を感じて「こんな自分もいるんだ!」「強いじゃん!」と感動するかもしれません。
学校や会社に行くとき、ストレスが大きくてしんどかったとしても、美しい朝陽を見た瞬間、声もなくただ見とれるときもあるでしょう。
こんな風に、素直に浮かび上がる純粋な感覚は、理由がないものです。
この本音の感覚は、ただ喜びを感じる感覚なのでそれが好きである理由が存在しません。まずは、
本音の感覚を見つけたとき、意識したいこと
をイメージしてみてください。
本質的な感覚は、いつもは眠っているもの。
なので、古い過去の習慣と違い定着しにくく、効率よく潜在意識が再現はしてくれないんですね。
ですから、自ら、導き出す必要があります。
「わ~気持ち良い」という感覚を定着させて、いつでも取り出し可能な状態にするには、味わった感覚を思考で捉えてみる行為が必要なのです。
最初は、この感覚を言葉にした瞬間、ズレを感じるかもしれません。
もともと潜在意識の領域にある感覚なので、言語化する必要性がないからです。
それを敢えて言葉にすることで「わ~気持ち良い」という喜びの感覚を呼び覚ましやすくなるのです。
この本質的な自分に触れることに慣れていけば、わざわざ言葉で捉えなくても良いのです。
とは言え、不慣れなものは顕在化しにくいという、ココロのしくみも働いています。
自分にとって本質的で、本音の感覚やその状態を呼び覚ますことを習慣化するためには、小さな喜びを感じたときに「何に感動したのか?」を自分自身に問いかけてみることはとても効果的なのです。

■本質的な感覚で選択するとは?
選択が行動を決めます。
実際の行動が何らかの結果を創ります。
それが目の前の現実ですね。
過去の習慣化によって選択する人生を生きるのか?
本質的な自分によって選択して生きるのか?
その結果としての現実を受け取っています。
過去の習慣化で選べば、過去の繰り返しのような人生を創造するでしょう。
自分自身の本音や本質的な喜びから選べば、心から納得する世界観が現実となってゆくでしょう。
イメージを文字化するととこのような現実の変化になります。
過去の体験による選択 ▶︎▶︎ 習慣化している行動 ▶︎▶︎
▶︎▶︎ いつも通りの結果/現実
自分の世界観による選択 ▶︎▶︎ 不慣れな行動 ▶︎▶︎
▶︎▶︎ 想像していない結果/新しい現実
しくみはとてもシンプルです。
わたしたち誰もがこのシステムの上で生きています。
つまり、不安だから、恐いから、と選択した行動を続けることで
何も好ましい変化は起こらない、ということ。
《ただの感情》と《本音の感覚》を見極められるようになる一番のメリットがここにあります。
選択肢が広がり、過去の自動反応と切り離すことができるからです。
その状態から選んだ現実は、今までの自分が信じていた常識を超えるような世界かもしれません。
そのためには、小さな喜びを感じたときに
そこに何を見出しているのか?
ハートは何に感動しているのか?
をイメージすることで、呼び覚ましやすくする必要があるのです。
■何を見て、何に感動している?
例えばわたしは、朝のウォーキングに出かけるとき、マンションから見える空が朝陽でキラキラしていると喜びが広がります。
そこに「何を見ているの? 何に感動しているの?」
と自分に問いかけてみると、
自然との一体感や、境界線がない解放感、というフィーリングがあり、それに感動しているのがわかりました。
五感の一体感や、解放された感覚を映し出して心地良く感じている。大切にしている。これがわたしの世界観の一部です。
ということは、これを基準にして選択をしていくことで本質的な自分として生きることに繋がっていきます。
何かモノを購入しようとしたときにも、そこに五感や解放感を感じているかな?
人とのコミュニケーションも、一体感を大切にしているかな?
仕事では、ハートを解放した感覚があるかな?
文章を書いていても、五感を大切にする表現を人々と共有しようとすれば
自ずと言葉の選択が違ってきます。
この自分の本質的な感覚とズレた選択をした場合どうなるか?というと…
結果として受け取っている現実は、どこか違和感があるんです。
本質的な状態で見ている現実は、自分の無意識が投影された世界を観ているので、その情報に顕在意識がフォーカスします。
それは、自分の本音とつながっているため、結果として身体にも心地良い感覚が伝わってきています。
逆に、恐れの状態で見ている現実は、恐れの情報と関連しているものに対して顕在意識がフォーカスします。
結果としてそれは気分の良くない感覚になりますよね。
■「感動習慣」_ハートは何に感動しましたか?
さて、ここまでお読みなったあなたは、最近どんなことに感動しましたか?
そのときハートはどこを見ていましたか?
どんな小さなことでも良いのです。
あなただけの喜び、感動、発見、感謝、尊さ、心地良さ、気持ちいい!と感じることを日常の中から見つけていきましょう。
大人になると、生活の忙しさに流されてしまい、特別なことでもないと感動を感じられにくいかもしれません。
子供は理由なくはしゃいだり笑ったり喜んだりしますね。
なぜこの「感動習慣」をお勧めするかといえば、楽しい!嬉しい!気持ちいい!と感じることを疎かにしてしまっていると、そのココロの動きがサビついてしまい本当に必要なときに呼び覚ますことができないから。
本当は楽しいと感じていること、こっそり嬉しいこと、言葉にならないけれど心地いい感覚、ハートが動いた感覚・・・
そのココロの筋トレだと思っていただけるとわかりやすいかと思います。
潜在意識がその状態を再現できるようにオートメーション化することが大切だからです。
■今日は、何に感動しましたか?
わたしは写真活動もしているため、初めての場所へロケハンに行ったり、さまざまな地域を訪れたときに偶然見つけた景色に出逢うとその発見にハートがよろこんでいるのがわかります。
知らなかった土地の空気を肌で感じ、その土の匂いを嗅ぎ、遠くの山や樹々が彩り豊かな世界が広がっているのを観ると、ハートが「あ、いいな!」と反応している感じるのです。
身体もリラックスしてほどよく緩み、心地がいい。
呼吸も楽で、夜もぐっっすり眠れます。
趣味の陶芸をやっているときに、指先全体に土の感触が伝わるときもハートが歓んでいますし、美味しいバゲッドが焼けたきもうれしいです。
集中して好きなことをしている時間を味わい、心をこめてモノ作りができることは深い歓びにつながりっているのです。
ですから、この歓びを誰かにわかち合えるのはもっと嬉しいこと。
それは潜在意識が「自動的」に動くので人に提供するのも同じ気持ちになります。

では、最後にもう一度お聞きしますね。
あなたは最近、何に感動しましたか?
そのとき、ハートはなにを観ていましたか?
それは必ず、みんなあるのです。
お友達とのおしゃべりも歓びはあります。
届いたらうれしいメールもあります。穏やかな天気や、公園の小さな花にもキラキラと輝く星も、一杯の温かいコーヒーにも、ふわふわのお布団にくるまったときにも、心が動きます。
街を歩いていて、人々の笑顔にほっこりすることもあるでしょうか。子供たちを見ていると、これまで健やかに育ってくれたことに感動するかもしれません。
そこから、あなたの感覚が反応する世界を見つけ出してみてくださいね。
■寝る前にすると良い習慣
ワークショップでシェアしてた簡単なワークをご紹介します。
夜、ベッドにはいったら、今日いちにちの出来事を思い出します。そして
「感動したこと」「楽しかったこと」「嬉しかったこと」「ラッキーだったこと」に感謝して眠りに就いてみてください。
誰にもわかりませんからアバウトでOKです。
「あれ、よかったねー」とモニョモニョとイメージするだけで潜在意識に届きます。
例えば______
「お弁当が美味しくできた」「ケーキを奢ってもらった」「〇〇さんからメールが来た」「紅葉が赤く染まってきれいだった」「ウォーキングが2ヶ月も続いていた」「仕事でありがとうと言われてうれしかった」「新しい英単語を覚えた」「日記が2週間つづいてうれしかった」「新しいヨガポーズができた」「ゆっくり読みたい本が読めた」「気になっていた映画が素晴らしかった」「寄り道したら素敵なカフェを発見した」「グッとくる言葉に出会えた」etc……
こうして自らの喜びから選択する習慣をつけると「わたしはこれが好きなはず、求めているはずだからこう選択しよう!」と、過去の習慣によって慣れたものや、不安や恐怖スタートしているときにストッパーをかけることが上手になってきます。
「きっとこうであるはず」と思いこまされている自動的なココロの揺れというのは、脳内だけで再現されているストーリーだと気づけるからですね。
嫌な感じのココロの揺れに出逢ったら、ぜひ、喜びから選択する習慣を思い出して見極めをしてみてくださいね。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
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