《服従イコール屈辱ではない》 一匹狼で生きるあなたがストレスフリーになるために
このようなタイプの方がわたしのクライアントに多いです。
それもそのはず、わたし自身の性質だからです。
■通用しない価値観に気づく
同時にこのようなジレンマを持ち合わせています。
・こんな独りよがりの生きかたでいいんだろうか……
・他者への思いやりが足りないんじゃないか?
・ただの完璧主義なんじゃね?
もしくは
・自分の孤独さを感じても、無意識にガードして、
“そんなことないもん!と、クールぶって生きて”いないか
・それを薄々感じながら認めることができない自分ってどうよ……
(セルフイメージが一体化して、いまさら崩せないせない)
という、ただのこじらせです。笑
まあ、よくあることなのでここは笑ってスルーしてOK。
そのように言うと、
生ぬるいところへ逃げちゃってさ、とか
もっと上を目指そうぜ、とか……
どこかだれかの「声」が脳内でリフレインすることもあるけれど、
本当は気づいているはず。
もう、その「声」はもう存在しないし、
リフレインしているのは自分自身だってことを。
亡霊のような「声」は昭和がつくった幻想です。
過去には存ったけれど、2025年を迎える現在、
わたしたちには通用しない価値観です。
幻想の声に遠慮して生きるのは自由だけれど
わたしも(あなたも)、そんな暇はないって知っています。
だって、世の中は流れそのものですし、ね。
とはいえ、「このままだとストレスを感じるなあ」と言う場合には、
思考システム(男性性)を成長させることにフォーカスしてみましょう。
途端に、一匹狼の生きづらさを解消できます。
■《セルフリーダーシップ》を成熟させるには?
この性質を変えるのではありません。
あくまで、あなたの本音はそのままに、
さらに自己理解を深めてゆくために思考システムを活用する。
すると《セルフリーダーシップ》が成熟するため、
上記のようなこじらせジレンマが発生しにくくなるのですね。
つまり、ストレスフリーで自分らしい哲学を楽しめるのです。
では《セルフリーダーシップ》について考察してみましょう。
まず、最新の科学と人間行動学を交えた研究で、
《どういうタイプのリーダーに魅力を感じるか?》と言うテーマを紹介します。
例えば犬と飼い主。馬と人間の関係、などをイメージするとわかりやすいかもしれません。
驚くことに、わたしたち人間と、動物とでは、
リーダーシップを感じる資質に差はなく、「毅然として、穏やか」
であることが決定づけられているそう。
「動物と同じ? それって服従みたいじゃない」
と思うひとも多いかと思います。わたしも最初、そのような感想を持ちました。
ですが、研究者が世界中で統計をとってゆくうちに、
《服従イコール屈辱ではない》、ということがわかってきました。
たとえば、人を見ると噛み付いたり、吠えて暴れてどうしようもなかった犬がいるとしましょう。
その犬を、しつけ指導などの施設で「毅然として、穏やか」な人間(主人)のそばで育てると、ストレス値が下がり、性格が穏やかになって、適切なリードを待ってくれるようになるという事例が世界中で発表されたのだそう。
そして、乱暴だった犬は一旦リーダーを認めて服従の体制に入ると、とたんに落ち着いて素直になり、実際の姿も幸せそうに見えるのです。
このことから、盲目的に相手に自分の言うことを聞くのではなく、
魅力あるリーダーを持つことは生き物として幸福なこと
だと結論づけていました。
人間を含めた「動物」は、そもそも群れで生きることが本当的にDNAに備わっているからですね。
■群れることへの欲求は誰もとめられない
このように、服従イコール屈辱ではなく、本能的に安堵することが立証されている。
ということを踏まえてみると、一匹狼で生きたい、とか、社会や集団にあわせるのが苦痛と感じていたり、仲間に入れない自分に嫌気がさしている人がいたとしたら、そういう反応(群れることへの欲求)は当たり前、と伝えたいのです。
それはわたしたちの本能なのですから、いちいち考えることではないのです。
問題は、それが自分の本当に入りたい集団や仲間じゃないのに本能にせかされてしまうとき、じゃないでしょうか。
犬がご主人の機嫌を取ろうとして、お腹を見せてひっくり返るような行動をとってしまうときの「ダサい自分」なんですよね。
“かっこいい自分だけを他者に見せたい”と思う気持ちは誰にでもあります。ですが、そればかりにエネルギーを注いでいると、他者の価値観にあわせたセルフイメージで生きることになります。それって長続きしないし、本当の自分じゃない。
でも、生きるって、そういう葛藤の連続です。
そう理解していれば大丈夫なんですね。
(ここで思考が止まってしまうのがいわゆる中二病)
ここで掘り下げたいのは、
心から思っている言葉を発現しないとか、相手を褒めるときととか、
自分が思ってもいないのに、つい相手の機嫌をとるようなことを言ってしまったり、やってしまったとき案件。
「やっちまったー」「もう、しょうがないなぁー」
心の中でため息をついていればいいのです。
でそういう「ダサい自分」に出逢ってしまうと、誰だって凹みます。
(わたしもあるあるです)
でもね。それは誰にもわからないことなんです。
それがわかっているのは、
あなたしかいない。
■個人として疑問を持つこと
あなたの中に、あなたの観察者がいます。
自分を見ている視点。一番大切にしないといけないのはそこです。
ある意味、1番かっこいいところを見せないといけないのは、実は他人の目ではなく、この観察者へ、なんですね。
「やっちまったー」「もう、しょうがないなぁー」
と、ため息ついてる人は誰でしょうか?
誰よりもあなたの事情をよく知っている、そのひとです。
両親よりも、友達よりも、家族や子どもたちよりも、あなたのことを全て知っているのです。
そのひとは、あなたが、そのとき、そういうことをせざるを得なかった、
あなたの人生の歴史について誰よりも知っている。
いつ何時も、あなたの味方のひと。
これまでもずっと、あなたの隣で寄りそって、考えてくれているひと。
セルフリーダーシップとは、そのひとのことなんです。
それは自分のなかにいる観察者でもあります。
そのひとにぴったりついていけば大丈夫なんです。
これは、自分の中の埋もれているリーダーシップを掘り起こす、と言う作業です。あなたと、あなた自身のリーダーシップを、1つの「群れ」にしてしまうイメージですね。
わたしはこれを、「チームわたし」と呼んでいます。
わたしがわたしをリードする。
本能的についてゆきたくなるような
「毅然として、穏やか」 なひとが存在する。
それも自分の中に、ずっと。
こんな最強の群れってないですよね。
もっというならば、それ以上にあなたを魅了させるリーダーはいないのです。
そして「集団」と言うのは。本来そういうひとりひとりが集まってできるものじゃないでしょうか。
友だちとしての集団、社会的な集団、地域や国としての集団、いろいろ種類はありますが、それに所属する前に、まずは個人として存在すること。
これは、盲目的に相手に自分を差し渡すことではありませんよね。
個人とは、自分の思考を使って、そのつど、考えることができること。
じゃあどうやったら、セルフリーダーシップを成長させることができるのか?「チームわたし」をどうやって作る?
わたしは、「個人として疑問を持つこと」をオススメしています。
「え?」と思考がとまるときの、
あなたのなかのリーダーの声をちゃんと聴くのです。
「え?」とは、世の中への疑問、でもいいですし
納得のいかないこと、理解できない現象、ニュースや法律、でもいいでしょう。
疑問を持つと、人は不安になります。
「え?」と思った瞬間から、群れから離れる予感が芽生えるからです。
動物本能的に人を不安にしてしまう反応が起こるんですね。
ですから、無意識に疑問を持たないようにしようとする機能が働きます。
同調圧力って、このしくみにつながっています。
疑問を持たせないように仕向ける力。
でも、繰り返しますが
「え?」と思ったことを大切にしましょう。
その場ですぐに「これはおかしい」と声を上げることができなくても。そんな勇気がなくても、です。
疑問に思ったこと、そして明らかに違うんじゃない? と思ったこと。
それは「チームわたし」の課題となるからです。
■魅力的な導きをしてくれるそのひとの声
ここでちょっと考えてみましょう。
AさんとBさんがいます。
《足を誰かに踏まれたとき、どうするか?》話し合いました。
Aさんはいいます。
「あなたの足が踏んでいるのは、私の足なんです。痛いから、すぐにどけて」
Bさんは「面倒だから黙っている」といいます。
それにAさんが、返します。
「黙っていた方が何かプライドが保てる気がするんでしょう?
こんなことくらいで傷ついていないし、何とも思っていないって言う方が人間の器が大きい気がするから。
でも、それは違うんじゃない? 大事なことがとりこぼれていない?
人は傷つきやすくて壊れやすいものだって。自分はいま、そう感じているんだっていう素直な感覚のこと。
傷ついていないふりをしているのは、かっこいいことでも強い事でもない。あなたが踏んでいるのは私の足で、痛いんだ、早く外して、って言わなきゃダメよ」
それを聞いたBさん。
「そう言っても、外してくれなかったら?」と聞きます。
Aさんは、「怒ればいいじゃん。怒るべきことをなかったことにしちゃダメ。 相手に無視されてもいいから怒ってみせる。
じゃないと同じことをずっと繰り返される」と。
さて、この会話、どう思いましたか?
わたし自身は、基本的にはAさんの考えを採用してきました。
嫌なことは嫌、やめてほしいことははっきりと相手に伝える。
でも、あるとき、これは反応しているだけじゃないか?と考えたんですね。
重要なのは、そういうことだけをしていたら、どうなるか?
「考えると言う習慣」が抜け落ちてしまう、ことに気がついたのです。
まるで脊髄反射で生きているだけの、反応ばかりしている、単細胞生命のみたいになってしまわないか。
これが、「え?」となった、
「チームわたし」のリーダーの声をちゃんと聴く、ということです。
あなたのそばにいる
「毅然として、穏やか」な魅力的な導きをしてくれる、そのひとの。
■あなたは安心して一匹狼になればいい
「チームわたし」は、基本は、考えて、決断し、行動します。
もちろん、そうできない時もあるでしょう。
逆に、すぐに怒らないといけない時もあるし、冷静になってから判断する、時間をおいて意見する、というときもあるでしょう。
「個人として疑問を持つこと」は、その環境、タイミング、その人との関係性によって、そのつど、変化するもの。
誰にでも自分に合ったやり方があります。
考える、とはこのときに使う思考、そのシステムのことを指します。
ここを自分なりに捉えることができると、経験を軸に、
「いま、自分がどうするべきなのか」クリアになっていきます。
この性質の自分で本気で生きてゆきたいのであれば、それを選べばいい。
「この生きかたを楽しくするにはどうしたらいい?」
と、あなたのチームで思考すれば、答えは自然に出てくるのです。
けれど、それゆえに生まれる孤独や、葛藤など、人生を楽しめないような
要素は必要ないのですね。(←ただのこじらせですから)
「チームわたし」という、最強の群れと共に、
安心してセルフリーダーシップを発動してゆきましょう。