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お笑いにニューウェーブを感じるこの頃



唐突ですが、人を感動させる、泣かせること以上に、人を笑わせるって難しいと思いませんか?

新卒で就職したマスコミ関係の会社は大阪にあり、かのお笑い大手企業に行く機会がありました。関西人には馴染み深いお笑いの裏側をちょっと垣間見ることができたのです。



楽屋前を通ると、個別の楽屋がない若手芸人さんたちが廊下に座り込んでネタ合わせをしていました。その様子たるや真剣そのもの。なんなら喧嘩腰。まるで戦場にでも行くのかという面持ちです。私はとても驚きました。人を笑わせるためにこんなにもストイックにネタ作りしているんだと。



舞台袖、客席から本番を観る機会もありました。芸人さんの目力、声量に圧倒されました。お笑いに対する見方がすっかり変わりました。特に漫才に対して。



漫才ってセンターマイク1本で勝負なんです。照明も効果音も舞台装置も他の芸人さんと同じ土俵。芸人さんの話術、動きだけを駆使して数分間でお客さんをその世界観に惹き込むことができるかなんです。


当時受けた感銘を最近久しぶりに思い出したのです。今年のM-1グランプリを視聴した時に。



「令和ロマン」の名前はなんとなく知っていました。確か去年優勝したと。「あれ?でもテレビにあんまり出てないよね?」そんなことがよぎりました。


決勝のトップバッターで登場した令和ロマンの漫才を観てつかみから度肝抜かれました。そして直感的に「あっ、この2人が優勝する」と思いました。それぐらいセンセーショナルでした。

結果、令和ロマンはM-1史上初の2連覇を成し遂げました。

なぜこんなに惹き込まれたのか、面白い!すごい!と感じたのか色々分析したくなり、令和ロマンのこと色々検索しました。



彼ら、ものすごく計算してビジュアルからネタまで作ってるんです。
ツッコミの松井ケムリさんは安定感のあるゆったりしたツッコミとして体重を20キロ増やして短髪にして茶系のスーツを着用。
ボケ担当の高比良くるまさんはインテリっぽくなるよう美容医療で顔形や眉を整えて髪を伸ばし、スーツもシャープなものに。
2人とも3年ぐらい前とビジュアルがかなり違うんです。



初回優勝時にM-1連覇という前人未到の目標を掲げ、この1年そこに向けて自分たちの在り方を緻密に練ったそうです。

客席からの見え方を意識してセンターマイクの高さや体の角度を分析。常にネタのストックを用意し劇場の客層、他芸人のネタによって変える。お互いの時間や空間を優先してネタ合わせはオンラインでやる。
M-1で優勝すると番組やCM出演の特権を得るそうですが、彼らは出るものをかなり厳選したそう。

この計算し尽くされたセルフプロデュース力、今どきのドライさ、クールさと媚びなさと生意気さ。それに相反するお笑いへの熱量と度胸。何より有頂天にならず俯瞰で自分たちを見つめる分析力。

私の中の冬眠していたお笑いリスペクトを刺激し、時を超えてビビビッと目覚めさせてくれたのかもしれません。心理的に突かれたわけです。


女芸人版の「THE W」を観た時も「忠犬立ハチ公」の笑いのセンスに令和の風を感じました。



お笑いに新風と新しい幕開けを感じた今日この頃‥。



今日はコテコテに語らせていただきました 笑

関西に向かう新幹線の車内にて。







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