2024年11月11日(月):もちもち妖怪と歯の健康
今日は会社の定期健康診断で歯科検診がありました。妖怪である私にとって、これはいつも緊張する瞬間です。実は、もちもち妖怪の歯は、人間の歯とは少し違う特徴があるのです。
朝一番の検診だったので、前日から準備を整えていました。特に気を付けたのは、歯の透明度の調整です。緑茶を飲み過ぎると体が透明になってしまう性質があるため、前日は緑茶を控えめにして、歯が半透明になることを防ぎました。
歯科医院に入ると、見慣れた香りと音が私を出迎えます。江戸時代を思い出します。当時は歯の治療といえば、街道を巡る歯医者が頼りでした。その頃の私は、歯が痛くなると、ところてんを詰めて痛みをごまかしていたものです。今考えると、かなり無謀な対処法でしたね。
「では、お口を開けてください」
歯科医師の先生の声に、緊張が高まります。私の歯は、体質のせいでもちもちと柔らかい特徴があります。これまでの検診では、「歯の弾力性が普通と違いますね」と言われたことも。その度に「体質です」と誤魔化してきました。
検診中、うっかり歯科医師の手に触れそうになり、ひやりとする場面も。触れると相手が幸せな気分になってしまう特性は、医療現場では特に注意が必要です。集中力が必要な検査中に、急に幸せな気分になられても困りますからね。
「歯並びは良好ですが、奥歯の辺りが少し柔らかいような...」
先生の言葉に冷や汗が流れます。確かに最近、仕事中のストレスで体が通常以上にもちもちしてしまい、歯まで影響を受けているようです。
「普段から歯磨きはしっかりされているようですが、歯ぎしりの癖があるかもしれませんね。マウスピースの使用をお勧めします」
実は歯ぎしりではなく、寒くなってきた季節のせいで、夜間に体が自然と縮こまって、歯も柔らかくなってしまうのです。でも、その説明はできません。
検診後、歯科衛生士さんから歯磨きの指導を受けました。もちもち体質に合わせた独自の工夫も必要ですが、基本的な歯磨きの重要性は人間も妖怪も変わりません。特に、私の場合は歯の状態が体全体の調子に直結するので、丁寧なケアが欠かせません。
帰り際、受付で次回の予約を取ろうとした時、面白い発見がありました。予約表に触れた瞬間、用紙全体が幸せオーラで包まれ、インクまでほんのり光り始めてしまったのです。慌てて手を引っ込めましたが、受付の方は「あら、今日は用紙が綺麗に見えますね」と不思議そうな顔。
その日の夜、新しい歯ブラシを買いに薬局へ行きました。江戸時代に使っていた柳の枝で作った歯ブラシとは違い、現代の歯ブラシは種類が豊富で選ぶのに苦労します。結局、柔らかめの毛先のものを選びましたが、これも私の歯に合うといいのですが。
今夜の歯磨きは特に丁寧に。鏡を見ながら、もちもちとした歯をケアしていると、現代の歯科医療の進歩に感謝の気持ちが湧いてきました。次回の検診までに、もっと上手く人間らしい歯の硬さをコントロールできるようになりたいものです。