【マンガ感想文】 怖いけど面白い!すべて実話の怪奇グルメ漫画 『東京怪奇酒』
私は基本的には怖がりです。
子供の頃は、夏休みになるとお昼のテレビ番組で放送されていた、心霊体験を再現ドラマにして検証する特集コーナーが怖すぎて観られなかったり、超常現象を特集した番組に出てくる宇宙人に怯えていたり、幼児向けの言葉の教育番組で大活躍していた「はにゃ」が口癖の埴輪の王子さまをなぜか異様に怖がったりしていました。
今では平気なことが増えてきて、埴輪の王子さまも大好きですが、怖いものはやっぱり怖いです。
「清野さんの作品なら絶対面白いに決まってる!!」
本日は、『東京怪奇酒』(清野とおる 著)をご紹介します。
清野とおるさんと言えば、代表作は『東京都北区赤羽』シリーズ。
私はこの作品で、密かに思っていた"昼間から派手に酔っ払ってる謎のおじさんたちと猛者のようなスナックのママがいるクセの強い街"という赤羽のイメージがあながち間違いでもなかったどころか、それ以上にアナーキーな魅力に満ち溢れた街であることや清野さん自身が只者ではないことを知り、いろいろと衝撃を受け、なんだかんだあって、赤羽の街と清野さんの漫画と清野さんのファンになりました。
そんな清野さんの最新作が2020年の初めに刊行されると知って喜んだまでは良かったのですが、"怪奇現場で飲酒する"というぶっ飛んだ内容だと知った途端、逡巡しまくりました。
"読みたいけど怖い…怖いけど読みたい…読みたいけど怖い…怖いけど読みたい…"そう頭の中で呪文のように呟き続け、最終的に
「清野さんの作品なら絶対面白いに決まってる!!」
と"読みたい"が"怖い"に打ち勝ち、無事購入に至るまで刊行から4ヶ月もかかったことをここに白状しておきます。
怖いけど面白い! エッセイ・ルポ怪奇グルメ漫画
この作品は、心霊現象や怪奇現象が起こったとされる場所で感情を揺さぶらせながら飲酒するというエッセイ・ルポ怪奇グルメ漫画。
怖いけどとても面白く、そして、その境地にたどり着いたことが凄すぎてドキドキしながらも一気に読んでしまいました。
私は百鬼夜行の話が一番怖かったですが、雰囲気の悪い公園の話は思いもよらないカオスな展開で良かったです。
それから、事故物件夫婦の話は確かに怖いけれど、持っていったお酒とおつまみのチョイスが調子に乗り過ぎていて最高でした。
それにしても、飲酒は兎も角、怖そうな場所によく行けるなぁ、とつくづく感心します。
P.S.
この作品を読むと怪奇現象が起きるというツイートをいくつも見たことも4ヶ月逡巡した理由のひとつ。
実際、怪奇現象かどうかは分かりませんが、読んでいる間と読了後に、突然、照明のリモコンでテレビが点いたり消えたりするようになったり、スマホの充電開始音が止まらなくなったり、お風呂に入っていたら誰もいないのに電気が一瞬消えたりなどの電気系統の小さなトラブルが相次ぎました。
私の部屋のあちこちから断続的にラップ音がしていました。
これは確実に偶然ですが、事故物件夫婦の最後のところを読んでいたら、大きめの地震に遭いました。
怪奇現象ではなく、たまたま撮った写真に龍神さまが写ったというツイートも見かけましたが、どちらかと言えば、龍神さまの方が良かったです。
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