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大河ドラマ「光る君へ」第44回~道長の「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の」和歌を考察する

こんばんは、もちまるです。
ご無沙汰しています。

新しくお仕事を始めまして、
すっかり「光る君へ」の感想もnoteの更新も滞っていました。

私生活もかなりバタバタしていまして、
中々皆さまの記事が拝見出来ない事もあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです😌

そんな中ではありますが……
今回はあの!有名な道長の和歌という事で、
書かない訳にはいきません!!

それでは早速和歌解説に参りましょう。


「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる事も 無しと思えば」の解釈


1.従来の和歌の解釈

今回の和歌は、歴史や日本史の授業でとっても有名なこの和歌です。

この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の
欠けたる事も 無しと思えば

(現代語訳)
この世を我が世と思う。望月が欠けることも無いと思うので

倉本一宏編 『現代語訳 小右記』より

この現代語訳は、実資が書いた『小右記』の現代語訳から引用しました。
本を読む限り、今回のドラマの場面は、『小右記』を忠実に再現していました。

より詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
私が引用した本の倉本先生の記事になります。

自信満々にも思えるこの和歌、学生時代に習った記憶が思い起こされます。

この和歌によって、道長の印象が「自信満々の人」になりました(笑)

ただ、今はこの和歌について新しい解釈があるようです。

2.新しい和歌の解釈

新しい解釈についてこちらの記事を引用を交えながら超ザックリまとめていきます。
詳細を知りたい方は記事をお読みくださいね。

①当日の月は満月ではなかった
→和歌の解釈として「目前の月は満月ではないけれど」という別の意味が託されている可能性がある

②和歌の解釈として「我が世」=自分の世と解釈する前例がない
→道長は世界を所有した、と豪語しているのではなく、ただ今夜の状況に満足している、という解釈が自然

このようなことから、記事で解説してくださっている山本先生の解釈によると「この世をば」の和歌は
以下のような現代語訳になるといいます。

「今夜のこの世を、私は心ゆくものと思うよ。目前の月は欠けているが、私の月ーー后となった娘たち、そして宴席の皆と交わした杯ーーは欠けていないと思うと。」

【光る君へ】日曜日にいよいよ登場、道長の「望月の歌」 「あの日は満月ではなく、この世は自分の世、とも道長は言っていない。ささやかな喜びの歌なのです」 山本淳子教授にインタビュー – 美術展ナビ より

全然印象が違う!
ドラマの道長に近い印象の和歌になりました。

更に記事では、「この世をば」の和歌と紫式部の和歌との
関連性が指摘されていました。

とても面白いトピックなので見ていこうと思います。

「この世をば」の和歌と紫式部の和歌の関連性


「この世をば」の和歌と関連性が指摘される紫式部の和歌はこちら、

珍しき 光さし添ふ さかづきは もちながらこそ 千世もめぐらめ

(現代語訳)
世にもめでたい光(皇子誕生)の指し加わったこの盃は、その栄光が望月さながらに満ち満ちて、人々の手から手と、千代も経めぐり続くことでしょう

南波浩 校注『紫式部集』より

この和歌は、彰子が敦成親王を生んだ時、5日目の産養の行事で
紫式部が詠んだものです。

山本先生によるとこの和歌は、

「さかづき」に「月」、
「持ち」に「望月」を掛けており、
道長の和歌に近い
ものがあるというのです。

上記の和歌が詠まれたのは1008年。
「この世をば」の和歌が詠まれたのは、1018年。

道長が10年前の紫式部の和歌を参考にする、
今の私たちにはナゼ⁉という感覚です。

この紫式部の和歌は、勅撰和歌集の一つである『後拾遺和歌集』に入撰していている和歌。
当時から知名度があり影響力があったとも考えられますね。

そして何より紫式部と道長の関係性があった為、何かしら和歌の影響を受けていたと考える事も出来ます。

非常に興味深い説です。

……という事で、ざっくりではありましたが、
和歌の考察をしてきました。

新しい和歌の解釈によって道長のイメージも変わってきますよね。
(ドラマの道長はイケメン…)

今の子供たちは、和歌の新しい解釈も知っているかな?
道長のイメージ像が変わってきそうですね。

余談~光る君への匂い袋~


ここからは余談です。「光る君へ」愛から生まれた匂い袋のお話。

ドラマの初期、若い頃の道長がかっこよくて
そこからインスピレーションを得て、匂い袋を作りました。

道長の水色の装束に似た金襴布を仕入れて、
一つ一つ袋にして香原料を入れています。


道長推しの匂い袋
こだわりにこだわって作りました

生地を見つけた瞬間これだ!となりました。

ストラップは、道長の装束の袖部分の緑色をモチーフにしています。

道長の水色装束…?と思われた方、こちらです。
(画像は美術展ナビより引用https://artexhibition.jp/tag/%E5%85%89%E3%82%8B%E5%90%9B%E3%81%B8



中に入っている香原料は、平安時代から使われている原料も沢山入っていて、まさに平安を感じられる匂い袋。

リラックス効果のある白檀もたくさん入っています。

こだわりの天然香料のみで作ったので、市販の匂い袋に比べて、
優しく柔らかい香りが特徴的です。

強い香りが苦手な方にもおすすめです。

まさに「好き」をたくさん詰めた匂い袋😊

普段はハンドメイドサイトで販売していますが、
3つ限定でメルカリにて販売中です。
(noteでご覧になっている方はお互い匿名配送の方が
安心かなと思いまして😌少しお得な価格になっています)

「光る君へ」の思い出の品として、
たんすに1つしのばせてみてはいかがでしょうか。

たんすに入れるとお洋服にふんわり、優しい香りが移ります。
(少し平安貴族の気分になったり😉)

メルカリは3つ同じ商品がありますが、どれも同じものです!

Instagramもありますので、ご不明点やお香の疑問などがございましたら
DMでお知らせくださいね。(フォローもお待ちしております🌷)

という事で、最後はご紹介でしたが、
今回も和歌考察という形でお届けしました。

最終回まで考察出来るといいな…
(もうすでに「光る君へ」ロス……😢終わらないでほしい!)

お仕事やプライベートでバタバタですが、
出来る範囲でやっていこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました😊






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