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大河ドラマ「光る君へ」第39回~惟規の辞世の句を考察する

こんばんは、もちまるです。

今回は……惟規のまさかの展開に衝撃が走りました。
史実だったようですね。

ドラマ内で辞世の句の解説がありましたが、
やはりこちらでも考察していこうと思います。

都にも恋しき事の多かれば 猶このたびはいかむとぞ思ふ

(大意:都には恋しい人がたくさん待っていてくれるのだから、なんとしてでも今回のこの旅では生き抜いて都に帰りたいと思う)

https://serai.jp/hobby/1204080/2  より

この和歌は、『後拾遺和歌集』にも収載されています。

『今昔物語』にも越後に赴任した父を追って、
道中で病にかかってしまう様子が描かれているといいます。

『今昔物語』で描かれている当該和歌は、少し異なります。

2句目の「恋しき事」が「わびしき人」になっています。
「わびし」はやりきれないなどの意味を持ちます。

都にも わびしき人の あまたあれば なほこのたびは いかむとぞ思

ここには父上がいるけれど、都にも僕が死ねば悲しんでくれる人がたくさんいる。だから今は生きたい。そしてこの旅を終え、都へ行きたいと思……

https://steranet.jp/articles/-/3657  より


引用先の記事には、このようなエピソードもありました。
切ない😭

辞世の和歌の最後の1文字、「思ふ」の「ふ」の字を書きおおせずに、惟規は息絶えました。為時は、それを見て「この字は『ふ』だろう」と言い、息子の絶筆の横に「ふ」を書き添え、形見としました。父がいつも懐からこれを出して見ては泣いたので、紙はすっかり湿しめり、果てには破れてなくなってしまったと、物語は伝えています。

https://steranet.jp/articles/-/3657  より

あまりにも急すぎる惟規の最期でしたが、
惟規はユニークな人物としても描かれています。

それは史実でも同じだったようです。

手元にある『藤原惟規集』(岩波書店:岩波文庫『紫式部集』収録)の解説には以下のような事が書かれていました。

(前略)彼(筆者注:惟規のこと)が越後で病つのり、いよいよ臨終になったとき、父為時が後世の功徳のために、徳ある僧を呼んで、中有に迷わず成仏するように説かせたところ、その中有の世界にも色とりどりの花や鈴虫や松虫などがおれば、何の苦にもならぬと答えて、その僧をあきれさせたという、臨終の際の彼の面目を伝えている。

南波浩 校注『藤原惟規集』(岩波書店:岩波文庫『紫式部集』収録)

中有とは「衆生が死んでから次の縁を得るまでの間」(精選版 日本国語大辞典より)のことだそうです。

悲しい場面にも関わらず、まるでドラマのユニークな惟規像が
浮かび上がるようで、さらに切ない😭

惟規の出生年は、正確ではありませんが、
30代後半程の出来事だったようです。

平安時代は、医療も発達していない時代。
いつどうなるかも分からない「はかなさ」というものが
文学にも現れているように思います。

という事で、簡単ではありましたが、
惟規の辞世の句について考察してきました。

考察にあたり、以下の記事を参考にしています。
興味がある方はご覧くださいね。

ここからは「光る君へ」関連の余談情報です。

昨日、「光る君へ」の脚本家である大石静さんが
ゲストに出ていらっしゃるラジオを聴いていました。

私の好きな宝塚OGの望海風斗さんのラジオです。
ここから聞き逃し(10/20まで)聴けると良いのですが。

脚本執筆に関わる様々なエピソードが聞けて、
面白かったです。

とても大変そうではありましたが、あれだけ素敵な物語を描ける
大石さんがとても素敵だと思いました。

秋の夜長にラジオ良いですよね😊

あと個人的に気になるもの。

「光る君へ」とおじゃる丸コラボ。
かわいい🥰
Eテレで10月19日(土)午後4時35分~5時00分放送のようですよ。

少しずつ、最終回の気配が近づいてきて……
もはや生きがいになっているので、今から寂しい気持ちも😢

果たしてどんなラストになるのでしょうか。
毎週楽しみです。

最後までお読みいただきありがとうございました😊


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