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会いたい人に。

心を豊かにするものは、
いつもそばにあるけれど
心が真にそこへ向かう時、
それが、出会うべき、瞬間。

一昨日は
藤原さくらの「まばたき」を初めて歌って、
昨日は
寺山修司の詩集を買ったし、
今日は
リチャード・バックの「翼の贈物」を読み始めた。

藤原さくら「まばたき」

ぷわぁんと始まるイントロが
脳のどこかの
いつもとは違うとこを刺激する。
恍惚の類。
花のにおいに
つられてきてしまったかのような。

歌いたくなる。
自分の中に響く声と
機械を通した私の声と
脳が記憶した、彼女の声とが
混ざって流れる

私だけが知っていればいい声
けれど、君にも、
ほんとは知っていてほしかったり

寺山修司「幸福が遠すぎたら」

かの有名な詩を
帯に携えている

1度目は胸に手を当て心の中で
2度目は口に出して紡ぎながら
紡いだ、そのあとの呼吸までも
落とさぬように、大事に掬って

まだ包装のビニールも解いていないそれを
一日中、大切にリュックに詰めて背負った

それ自体は
何も変わらないけれど

こちらの気持ちを
熟成させているのです

リチャード・バック「翼の贈物」

心が躍り、血が騒ぐ何かを思い出したり
物語を物語のままにしない勇気だったり
真実をみつける時間は、日常の少し、奥にある

会いたい人に、会えなくてよかった。

序章にして、
人生の答え合わせをしてしまった。

彼とは会わずしてソウルメイトに。
彼にとってのサン=テグジュペリや、
誰かと同じなんだろう。

難しい飛行機の話は分からないけれど。
何の不自由なく飛び回れても
書くことにはそれ程やきもきするのだと
知れただけで、もういいのだ。


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