冬沢こたつの短歌と背景 part.4
はじめに
初回の記事と前回の記事はこちらです。
この曲を弾けなくなってはいけないと…
3,4年あっていなかった友達と久々に会ったときに聞いたいい話から作成しました。
その子の最近気になっている人は会社の社長さんかなんかで、お金持ちなんですが物欲のない人らしいです。おうちにピアノが有ったので話を聞くと、「おばあちゃんに教えてもらった一曲を弾けなくなるのが嫌で、そのためだけにピアノを買った」んだとか。なんて素敵なお金の使い方なんだと思いいたく感動したので、勢いで他人の知り合いのエピソードを短歌にしてしまいました。
友達にはその後この短歌を見せましたが、自分の話じゃないけど嬉しいと言ってくれていたので良いでしょう。きっとその社長さんは自分からこんな話そうしないと思うので、代わりに俺が語り継いでいこうと思っています。
何を留め束ねていたっけ 中指に…
なんか男の子な感じがして恥ずかしいですが、指輪にできそうなものを持つとどうしても指にはめてしまいます。薬を留めていた輪ゴムがちょうど中指にぴったりで、指輪にして過ごしていた時に書いた短歌です。
ただ、これ「中指に」じゃなくて「薬指」の方がなんか色々意味合いとか重なってよかったかもな〜次にどこかに載せる機会があったら直そうと思います。
ブランコに乗ってる君が残像に…
件の写真は実在するんですが、別に好きな人でもなんでもなく、なんならネットでたまたま流れてきた写真です。ただその写真がすごく良くて、印象的だったので短歌にしてみました。
「残像」はとても好きなモチーフなので曲でもよく使っていますが、本当に飽きないです。この前もcinema staffの「白夜」という曲のサビで「俺は陽炎 君は残像」というフレーズが出てきて条件反射でぶち上がってしまいました。ちなみにそのアルバムで好きな曲は「TOKYO DISCORDER」「若者たち」「3.28」です。
診察が終わった後の黄昏と…
いつも病院の予約を17時にしているんですが、この季節なので診察を終えて外に出るともう真っ暗で、しかもその病院が住宅街にひっそりあるので出た直後が特別暗いんですよね。毎回ものすごく悲しい気分になってしまうので、せめて短歌にしてあげようと作った一首です。
自律神経失調で病院にかかっているのですが、本当になかなかよくならなくて…病院を出るときは本当にいつも実際より街が暗く見えますが、路地を曲がるとちゃんと人の営みが見えて安心します。早くよくなりますように。
すみません照らすためではないのです…
こちらは、自転車のライトを見て作った短歌です。そういえば、ライトには照らすためのライト(街灯や懐中電灯など)と、見つけてもらうためのライト(走る時に腕につけるやつとか)がありますよね。後者の例がお粗末でしたが、自転車のライトはどちらも兼ねていますよね。
自分が自分のために灯したあかりが、誰かのすがる拠り所になってしまった時、結局その人を裏切ってしまう形になるということ、自分にもあった気がします。ちなみに、この事象の例も特に思いつきませんでした。残酷ですね。
Twitterで比較的たくさんいいねをいただけて、その中に自分の好きな歌人さんもいらっしゃったのでとても嬉しかったのも含め、お気に入りの短歌です。
おわりに
part.4が終了しましたが、この1から4で紹介した短歌が、2021年11月に書いた短歌の中から選りすぐったお気に入り20首となります。短歌を始めて一ヶ月、毎日作って短歌を作ることを習慣にしようと頑張った結果137首もの短歌を詠むことができました。その中にはただの愚痴や見たままの詩的な要素の少ない陳腐な短歌も多かったのですが、継続できたことが何よりの財産です。ちなみに、11月は日記も一ヶ月続きました。
この紹介も、文章を書く練習として続けていきたいと思っています。多分、12月の自選で挙げた短歌をまとめて紹介することになりそうです。第一部終わり!
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