7:かわいそうなエアロバイクvsぽっちゃり
ぽっちゃりに買われて幸せになれるエアロバイクは、きっと1割にも満たないでしょう。
ほとんどの場合、ぽっちゃりの家にお迎えされたエアロバイクたちは、3日でリビングの邪魔なインテリアにされてしまうのですから。
しかし、ぽっちゃりという生き物は突如としてダイエットに目覚めるもの。
テレビで仰天チェンジを観たあとなんかに「よし、自分も30キロ痩せて人生を変えるぞ!」と急にエアロバイクを漕ぎ出すのです。
そこから本当に30キロ痩せられるぽっちゃりは、残念ながら少ないですけれど。
たいていの場合は1日だけ漕いでおしまい。
次の日からは「やっぱだるい」とソファーに寝そべりチョコレートを食べる生活に逆戻りです。
当然、エアロバイクもリビングの邪魔なインテリアに逆戻り。
下手をすればメルカリで売られてしまう子までいます。
そんなかわいそうなエアロバイクを幸せにする方法は、たったのひとつ。
ぽっちゃりたちがエアロバイクとの正しい付き合い方を覚えればいいのです。
とはいえわたしも、かわいそうなエアロバイクと正しく付き合えるかといえば『断じて否』と答えるほかありません。
その屈強なまでの否定に対し「あまり強い言葉を使うな、弱く見えるぞ」と嘲笑われたとしても、わたしはこの「断じて否」を貫き通すでしょう。
それほどまでに、わたしとエアロバイクの確執は深いのです。
けれど、もしかしたら、何かの間違いで乗る日も来るかもしれません。
ですから自分のためにも、ここにエアロバイクとの正しい付き合い方を書き記しておきます。
まずひとつ、ぽっちゃりは体力がありません。
もしかしたらわたしだけかもしれませんけれど、2分も漕げばもうヘトヘト。
なので「毎日跨がるだけでOK」くらいの軽い目標を決めて、気が向いたら漕ぐというスタンスで向き合えばいいのです。
もうひとつは、エアロバイクで消費できるカロリーのことを一切考えないこと。
考えてしまえば、あまりの消費カロリーの少なさに絶望して漕げなくなってしまいますから。
わたしも最初、エアロバイクを少し漕いでほんのちょっと汗をかいたくらいで「明日には1キロは痩せてるはず!」と、本場のザッハトルテよりも甘すぎる見通しを立てては翌日に血涙を流したものです。
100グラムも痩せていない現実に、明日からはもう漕げないとやる気の全てを失っていました。
そしてエアロバイクに裏切られた気分になり、確執は生まれたのです。
ただし、中にはカロリーの消費が目に見えたほうが漕ぎやすい方もいらっしゃるので、その場合は存分にカロリー計算を楽しんでください。
エアロバイクとの正しい付き合い方は、もしかしたら人それぞれ違うのかもしれません。
わたしの述べた方法より、もっといい付き合い方もあるかもしれません。
それでも、次にぽっちゃりさんがダイエットに目覚めたとき、かわいそうなエアロバイクを少しでも幸せにしてほしい。
そんな願いをこめて、記事を書いてみた次第です。
長期戦にはなりますけれど、エアロバイクだって続けていれば痩せられるはず。
塵も積もればなんとやら、です。