最近読んだ本の話 vol.95
「最近読んだ本の話」の第95弾です。私の住む地域でもとうとう桜が開花しました。まだ3分咲きくらいですが、これから楽しみです。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、島本 理生『憐憫』
主人公の沙良は、芸能界の仕事を小さい頃からしていますが、大人になって伸び悩んでいました。子役時代に稼いだお金をすべて家族と親戚に使い込まれてしまい、絶縁状態になっていて、結婚したけど夫は調子の良いことばかり言う、沙良とはだいぶ性格の違う人です。何かいつもと違うことがしたくて友達とバーに行き、そこで柏木という男と出会います。会った瞬間に愛しいような憐憫のような感情にとらわれて親しくなるのですが…。
読み終わって、柏木さんが謎すぎる!と思いました。最後の方でキレてたのは何だったんだろう?とか。沙良が柏木さんと会わなくなって最後の場面、後悔してるのかな?と思われて、せつない気持ちになりました。
2、ディーン・R・クーンツ『ベストセラー小説の書き方』
小説を書こうとしているわけではないのに書き方は知りたい、という欲求があって、こういう本は読みたくなります。著者の「書いて書いて書きまくれ」「読んで読んで読みまくれ」という言葉が、まさにそれだわ、究極的にはそれしかないんだわ!と納得したりしながら、小説を書くために必要な知識を楽しみながら知ることができました。具体的な例があげられているので、イメージが思い描きやすいし、ベストセラー小説を書くことは途方も無いことだと思いながらも、著者のとても親切で楽しい文章に引っぱられて最後まで楽しく読めました。巻末の読書ガイドで紹介されている本の冊数が膨大な数です!
3、青山 美智子『月の立つ林で』
1章から5章まであり、それぞれ主人公が違うのですが、物語の登場人物全員に共通しているのが、タケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』を聴いていることです。私はポッドキャストを聴いたことがなかったので色々聴いてみたのですが、すごく好き!と感じる配信をまだ見つけられていません。もっと探してみよう。
うまくいかないことっていっぱいあるよなあ、と登場人物たちにうなずきながら読みました。それぞれの主人公たちの気持が少しずつ変わって、これからうまくいきはじめるんだろうな、というところが丁寧に描かれています。最後のタケトリ・オキナの正体がわかるところは、泣きそうになりました。
あっという間に3月があともう少しで終わりです。気温も高くなって春らしくなってきました。最近いつも眠いのは、気候がちょうどいいからかな?最後までお読みくださってありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?