最近読んだ本の話 vol.50
「最近読んだ本の話」の第50弾です。今週は寒かったですね!今週もなんとか読み終わったので、最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、ポール・オースター『冬の日誌』
いま語れ、手遅れにならないうちに。肉体と感覚をめぐる、あたたかな回想録。幼いころの大けが。性の目覚め。パリでの貧乏暮らし。妻との出会い。自動車事故。暮らしてきた家々。記憶に残る母の姿と、その突然の死。「人生の冬」にさしかかった著者が、若き日の自分への共感と同情、そしていくぶんの羨望をもって綴る「ある身体の物語」。現代米文学を代表する作家による、率直で心に沁みるメモワール。 -Amazonより引用-
以前から読みたいなあ、と思っていて、雪がちらつく冬休みなので読みました。ポール・オースターさんの自分史のようなエッセイです。住んだ家の数が21か所!すごいですね。読んでいると自分も、今まで住んだ家とそこで起きたできごとを生まれてからずっと順番に書いてみたい気持ちになります。小説を読んでいてイメージしていたのは、色んなことに遭遇してもふわっとうまく切り抜けられるようなそういう人生の人なのかな、と思っていたのですが、全然違いました。小説の登場人物と同じぐらい色んなことがあったんだなあ。
2、長嶋 有『ルーティーンズ』
無数のルーティンで、世界は回っている。作家と漫画家夫婦と2歳の娘がおくる、コロナ下のかけがえのない日常。長嶋有デビュー20年目の家族小説。 -Amazonより引用-
日常のひとつひとつのことを丁寧に言葉にしていて、夫婦の感情が克明に描かれています。私が毎日書いている日記よりもずっと細かく書かれていて、こういう風に書くと小説なんだ、と思いました。緊急事態宣言が初めて発出された時のこと、もう忘れそうになっていたけど、そうだったなあ、そんな感じだった!と思い出したりしながら、あっという間に読んでしまいました。
3、島本 理生『星のように離れて雨のように散った』
行方不明の父、未完の『銀河鉄道の夜』、書きかけの小説。三つの未完の物語の中に「私」は何を見い出すのか?
人生の岐路に立つ女子大学院生を通して描く、魂の彷徨の物語。
世界が新型コロナウイルスに見舞われた夏、日本文学科の大学院生の春は創作による修士論文と宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を
扱った副論文の準備をしていた。未だ書かれずにいる春の小説と未完に終わった賢治の作品への思い。そこには幼いころに
失踪した父の存在が影を落としていた。父との記憶を掘り起こすうちに、現在の自身の心の形も浮き彫りになっていく。
すると、彼氏の亜紀君との関係が現在のままでよいのか、という疑問が春の中に生まれて……。 -Amazonより引用-
島本理生さんの小説を初めて読みました。「恋愛小説」のイメージがあって、読んだことがなかったのですが、中を見て面白そうな感じがしたので読んでみました。読み始めてみると、主人公の春は日本文学科の大学院生で、修論に取り組んでいて、修論は自作の小説と『銀河鉄道の夜』についての副論文、という面白そうな内容だったので、当たった!と思いました。物語の途中で、「愛してる」と言ったら「あなたが、私を愛してるって、どういうこと?」と言われてしまう春の彼氏が気の毒になりましたが、読み進んでいくと春にはそういう思いがあったのか、と徐々にわかってきます。他の人が考えてることはわからないよなあ。だけど周りの人の助けもあって、春と彼氏の亜紀君は、お互いの気持ちを打ち明けて理解し合おうとするので、そういうところいいなあ、とうなずきながら読みました。
今週も「最近読んだ本の話」を書くことができました。マウスが動かなくなってどうしようかと思いましたが、書けてよかったです。読みたい本がいっぱいあるのでまた少しずつ読みます。最後までお読みくださってありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?