最近読んだ本の話 vol.20
「最近読んだ本の話」の第20弾です。もう5月も終わりですね。今年はいつも以上に時間が経つのが早く感じられます。緊急事態宣言がまた延長になったので、家で読書しようか。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、『Seven Stories 星が流れた夜の車窓から』
列車の旅を愛する人たち垂涎の豪華寝台列車「ななつ星」は、開業7年目を迎えるいまも、予約が取れない状況が続いています。ゆったりと流れる時間、車窓を眺めながらの豪華なディナーは、日本の旅を変えたとさえ言われます。その「ななつ星」に現代を代表する作家、井上荒野、恩田陸、川上弘美、桜木紫乃、三浦しをん、さらには旅を愛するふたりのクリエーター、糸井重里、小山薫堂が乗車、新しい旅から生まれた極上のストーリーをお届けします。 -Amazonより引用-
豪華寝台列車「ななつ星」の旅から生まれた5編の物語と2つの随想です。「ななつ星」に一度は乗ってみたい!と思っていましたが、よく考えたら私は乗り物酔いをするので、電車の中で飲食するのは大丈夫なんだろうか?という不安が頭をよぎりましたが、読めば読むほど乗ってみたくなります。
大切な人と想い出の旅をする、それぞれの乗客がいろんな事情を抱えてこの列車の旅に申し込んで、旅を楽しんでいます。大切な人と想い出の旅をするのっていいなあ、と憧れます。寝台列車、酔ってもいいから乗ってみたいです。
2、角田 光代『物語の海を泳いで』
読書という至福の世界へ。本のなかに書かれた言葉、そこで起きたできごと、そこで生きる人々、そこに漂う空気を五感と感情で体験すること、それが、本を読む、ということなのだ。読めば本屋さんに走りたくなる、とびきりの読書案内エッセイ。 -Amazonより引用-
角田 光代さんが選んだ350冊の本が紹介されています。面白いです。あれもこれも読みたくなります。読み終わった後、読みたい本を書き出したら77冊ありました。少しずつ読んでいきたいと思います。
角田さんの幼い頃の読書のお話が印象的でした。『長くつ下のピッピ』と『モモちゃんとアカネちゃん』の話なのですが、『長くつ下のピッピ』は角田さんの性格を決定づけたほどの影響を受けた物語で、『モモちゃんとアカネちゃん』は、この本を読んで作家になろうと思った本だそうです。私はどちらの本も読んだことがあるのですが、角田さんほどの影響を受けなかったように思うので、自分にとってのそういう本ってあるのかなあ、と小さい頃に読んだ本を振り返ってみたくなりました。
3、エトガル・ケレット『クネレルのサマーキャンプ』
自殺者だけが集まる世界でかつての恋人を探すハイムは、親友アリとヒッチハイカーの美女リヒとともに旅に出る。やがて行き着いたのは「意味のない奇跡」に満ちたサマーキャンプだった…。中篇代表作のほか、かつて月に住んでいた人々、作家の才能を奪いにくる悪霊、付き合った女性たちの写真をある家で発見する男、きらきら光るものが好きな女の子、バスに乗り遅れた客にドアを開けない運転手、美術館に飾られた美しい子宮、地獄から湧きでる人々など、意表をつく設定で人間の本質をとらえた数多の物語を紡ぎだすイスラエル人作家の日本語版オリジナル作品集。人気作家の31の中短篇。
-Amazonより引用-
31個の短篇が収録されています。相変わらずぶっ飛んでるなあ!と読み始めてすぐに思いました。センスがすごいです。この物語は誰にも書けない、思いつかない、思いもよらない発想です。読み始めるとその不思議な世界に足を踏み入れて、夢中で話を追いかけているような…。
この本の中で私が好きな部分を引用します。
彼女の目つきといったら、なんというか、半ばがっかり、半ばもうどうでもいい式の、間違って低脂肪乳を買ったのに気がついたけど、買い換えにいく元気はない、みたいな目つきだった。 -「壁をとおり抜けて」から引用-
人間には二種類ある、壁のそばで寝るのを好む人間と、ベッドから押し出そうとする奴のそばで寝るのを好む人間と。
-「キッシンジャーが恋しくて」から引用-
今週も書くことができました。よかったです。ほっとしました。また来週も書けるように読みます。最後までお読みくださってありがとうございました。
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