最近読んだ本の話 vol.92
「最近読んだ本の話」の第92弾です。あっという間にもう2月が終わります。早かった!今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、穂村 弘『短歌のガチャポン』
私は20代前半の頃に短歌を作っていたことがあるのですが、もう今は作っていなくて、でも読むのは好きです。この本面白そう!と思って手に取ったのですが、幅広い年代の方のいろんな歌が収録されていて、面白かったです。その上、メリンダ・パイノのさんのイラストがめちゃめちゃいいです。自分でも短歌を作ってみたくなって、最近通勤途中ブツブツ言いながら歩いています。
2、米澤 穂信『栞と嘘の季節』
前作『本と鍵の季節』を読んでいたので、この本のタイトルを見て続編だ!と確信しました。主人公は、前作と同じ図書委員の堀川次郎と松倉詩門です。図書室の返却本に挟まれた栞が、トリカブトの花で作られていることに気づいた2人が、持ち主を探そうと動き出します。
堀川と松倉、同学年の瀬野の3人が栞を作って配っている人間を探し出そうとしますが、とうとう首謀者を見つけ出します。謎が謎のままの部分も多くあって、気になったままなのですが、全部を解き明かさなくても物語が成り立つのは、あとは読者が想像するように、ということなのかな。
3、潮谷 験『スイッチ 悪意の実験』
潮谷 験さんのデビュー作です。デビュー作って読みたくなります。1番書きたいことが詰まっているんじゃないかと思って気になる!読み始めると、これがデビュー作なのか?完成度が高すぎる!と恐れおののいたのでした。 主人公は大学生です。1日1万円のバイトを引き受けたところ、自分達とはなんの関わりもなく幸せに暮らしているパン屋さんの家族を破滅させるスイッチを、押しても押さなくても100万円もらえるという、人の悪意を試す実験に協力するバイトでした。自分だったらどうする?当然押さないでしょ!と思いながら読んでいたら、物語の中では何者かが主人公が置き忘れたスマホでスイッチを押してしまい、誰も予期していなかった怖ろしいことが起こってしまいます。何とかならないものかと思いながら、読み進めていくと、スイッチを押した理由がわかって…。すごい筆力です。これがデビュー作なんて信じられないなあ。読めてよかったです。
最近本を読む時間がなかなか取れず、ゆっくりゆっくり進んでいます。読みたい本は増える一方ですが、ゆっくり楽しもう。最後までお読みくださってありがとうございました。