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チャットボットの導入は、「コールリーズン」から考える


前回の記事「チャットボットとオペレーターの役割分担とは?」で、

チャットボットとオペレーターの役割分担は様々なパターンがあります。対応する問い合わせ内容(コールリーズン)によって、最適な組み合わせを検討することが必要です。

ここでちらっとふれた、「コールリーズン」の分解について深堀したいと思います。

★この記事を読むとわかること★
①コールリーズンを分解するやり方
(イメージがつきやすいよう、例をもとに説明します)
②チャットボットに適したコールリーズンの見定め方
③チャットボットと有人チャットのすみ分けの考え方


チャットボットで入電数を削減する!大雑把な目標設定は、効果を見えずらくする。

良くやってしまうのですが、「全体呼量(電話がかかってくる量)の〇%をチャットボットで削減」といった目標を設定してしまうと、効果が見えずらくなってしまいます。

なぜかというと、チャットボットを導入するとこれまでコールが嫌で電話してこなかった顧客からの問い合わせや、冷やかしチャットが一時的に増えるからです。

トータルの呼量が増えてもボットがそれを自動で処理してくれればよく、またオペレーターチャットの効率が高ければ費用対効果=ROIは出てくるものです。

「チャットボットを入れたことで、入電削減できた!」と言えるためには、どの問い合わせ内容(コールリーズン)を、チャットボットで自動対応することにしたか、を明確にしておかないと分析しようがないですよね。

コールリーズンから考える

コールリーズンごとに分解して、

「そもそもチャット対応に向いているのか?」
「オペレーターによる有人チャットが良いのか?」
「チャットボットで自動化が適してるのか?」

……とステップに従って考えていくことが大切です。

その積み上げで得た効果こそが「全体呼量の何%が削減できた」という結果に繋がるのです。

コールリーズンごとに考えよう


オンライン通販の会社を例に考えてみたいと思います!

コールリーズンを問い合わせ件数の多い順番に並べる

コールリーズン分析

コールリーズンを問い合わせ件数の多い順番に並べると、
①配送状況など注文内容の確認
②定期購入に関わる手続き
③ログインに関する問い合わせ
④製品に関する問い合わせ
この順番で多かったと仮定します。

実は結構多いのですが、「コールリーズンが取れていない」という企業さんがいます。その様な場合は、WebのFAQ検索結果順位などが参考になります。

どのコールリーズンに取り組むかを見定める


すべてのコールリーズンがチャット対応に適しているわけではありません。
どのコールリーズンに取り組むかを考えていきます。

基本的には呼量の多いコールリーズンから検討を進めていくのですが、

例えば、②の「定期購入に関わる手続き」で「解約したい」という問い合わせは、コールセンターでオペレーターが丁寧にヒアリングするなど、人が電話で受ける方が、解約を防げる可能性が高まると考えられます。

こういったコールリーズンは、最初からチャット化対応のリストから外すという判断もあり得ます。


コールリーズンごとに、オペレーションを分解する

各コールリーズンに関わる「オペレーション」を分解していくことで、どのコールリーズンを優先的に取り組んでいくのかを決めていきます。

オペレーション設計の手順

順番は、
①電話対応の見直し(効率化できないか?など)
②オペレーターによる有人チャット対応(電話からチャットへの移行は可能?)
③チャットボットによる自動化(メッセージ対応を自動化できる?)
④システム連携による自動化(IDの問い合わせなど個別対応を自動化する?)

この順番で検討することをおすすめしています。

いきなりチャットボットの導入を検討するのではなく、順番に沿って、それぞれの段階で、どのような施策が可能かを分析していくことがポイントです。

チャットボットやシステム連携などを進めるほど初期投資がかかる内容となり、それだけのROIのインパクトが出るかを見定めながらの導入をお勧めしています。

例えば①の配達状況確認で考えてみます。

「チャット化することで効率化できるか?」 
注文番号をもとにドライバーを含めた配送状況の確認が必要なので、お待たせ時間も含めてチャット対応が理想的。

「チャットボット化できるか?」
個々の注文番号による確認が必要なため、システム連携を行わない限り自動化は無理。ただし、必ず聞かないといけない点は一律なので、初期ヒヤリングはボットで聞いておくことは可能。オペレーターチャットでの折り返し対応が理想的。

「システム連携による自動化はするべきか?」
現在のコール数ではシステム連携による全自動化はROIが出ないので、やらない。


まとめ

チャットボットと有人チャットのすみ分け(最適な役割分担)を考える際に必要な「コールリーズン」を分解するポイントは、

・どのコールリーズンに取り組むかを見定める
・いきなるチャットボット導入を検討するのではなく、コールリーズンごとに、オペレーションを分解する
・【電話(見直し)→有人チャット(ノンボイス化)→チャットボット(自動化)→システム連携】の順番にオペレーションを分解し、打ち手を考える


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