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「お米」とわたし

日本人の主食と言えば…

「お米」

と答えられる方が多いことと思います。
炊きたての白いご飯、お茶碗に盛った時に立ち上る湯気と香り、たまらないですよね。

そんなお米を、皆さんはどこで買っておられるでしょうか?

最近では、ネット通販で買うこともできるようになりましたが、お店で10㌔パックの白米を買われる方も多いかもしれません。

わたしも昔はそうでした。お米はお店で買い、炊飯器で炊くのが当たり前だと思っていました。

ところが、今では全く違う方法で手に入れるようになり、炊き方も変わりました。
そのことでお米の美味しさをより深く味わえるようになりました。

今回は、米どころである広島県東広島市に住むわたしのお米の楽しみ方とそこから感じることを書きたいと思います。

農家で直接購入

以前の記事で紹介しましたが、広島県東広島は、「酒の都」と呼ばれており日本酒の蔵元が沢山あります。

日本酒の名産地ということは、水がきれいな所であり、米どころでもあるということです。

市街地から少し離れて、周囲を取り囲む山に近づいて行きますと、農家がたくさんある集落がいくつもあります。

東広島市に住むようになって間もない頃、友人からお米を玄米で直接売っていただける農家の方を紹介していただきました。

それからは、お米を買う時、農家の方にお電話して予約を入れ、こちらが出向いてお金をその場で払い、毎回玄米で30㌔買うようになりました。
10年の間に、何軒かの農家の方とお知り合いになることができ、美味しいお米を購入することがずっとできています。

お値段は、個々の農家によって差はありますが、だいたい30㌔で7000円~9000円です。
季節を問わず新米の時期でも同じ価格で買わせていただいています。

農家の皆さんに直接お会いしてお米を買いますと、自分が毎回の食事でいただくお米を作ってくださった人の思いやその働きを肌で感じることができ、感謝の気持ちが湧いてきます。
特に、秋の新米の季節にお米を買わせていただく時は、「今年のお米はどうですか〜?天候の影響はなかったですか〜?」とその年の稲作の様子についてお話しを聞きます。
「いろんな苦労の結晶であるこのお米を手にしているんだ」と感じるのです。

そうなると、1年通じて美味しいお米を食べることができるのは至極当然で当たり前、という感覚ではなくなります。

自分で分づき米に精米

農家から直接購入した場合、大抵は精米されていない玄米を購入することになります。それで、自分で精米を行う必要があります。
自宅で精米を行うための家庭用精米機も販売されていますが、我が家は近くのコイン精米所を利用して精米しています。

100円で10キロのお米を精米できます。

精米所にて

よく利用しているコイン精米所は、東広島市に本社がある「株式会社サタケ」というメーカーのものです。
このメーカーの精米所では、精米後のお米の仕上がりを細かく設定できるようになっています。大まかには、無洗米にできるクリーン白米、無洗米に近い状態にできる上白、よく売られているお米と同じ状態にできる標準、胚芽が残った健康に良いぶづき米にできるモード(3ぶ、5ぶ、7ぶと選ぶことができ、そこからさら細かい設定が可能)、とモードがたくさんあります。

我が家のお米の精米はと言うと…

7分づきのお米にしています。

お米を精米機に投入


しばらく経つと精米されて出てきます
精米前
精米後(通常の白米より若干濃い色です)

以前は、精米せず玄米でお米をいただいていました。これはこれで美味しい。
玄米はミネラルがたっぷり含まれていて栄養価が高く健康的です。
ですが…
上手に炊いてよく噛んで食べないと消化不良や胃もたれが起きやすく面もあります。
そうならないようにしようと思うと、炊く前に半日水につけて放置したり、水加減を工夫するなど、結構手間がかかっていました。

それで最近は買った玄米を、ぬかの約70%が除去され、胚芽の一部が残っているお米である、7ぶつき米に精米して食べています。

米ぬかと胚芽が含まれている分つき米は、玄米ほどではありませんが、タンパク質やビタミン、マグネシウムや亜鉛や鉄分といったミネラルを含んでいます。白米より栄養価は高いのです。また、白米を食べた時より、血糖値の上昇が緩やかになるという良い面もあります。
食べた時の味や食感は、白米と大差ありません。
玄米のいいところを白米で味わえる、と言えるかもしれません。

自分で精米するとなると、一仕事がんばらないといけない、と気持ちを奮い立たせて取り掛かるという時もあります。特に今のような冬の時期には…

それでも、自分で精米することによって、お米を食べることに関しても選択肢が広がり、自分でひと手間かけて美味しいものにしてから食べることから来る満足感もより味わえます。
このことを思えば、精米所へと自然に足が向いていきます。

炊飯用の土鍋でお米を炊く

玄米を食べていた頃から、お米を炊く時に炊飯器は使わなくなりました。
炊飯器で玄米を炊くことも可能なのですが、美味しく炊けない…
「圧力鍋」で炊くと美味しいと聞いてしばらくそうしていました。

ですが、お米を炊く専用の土鍋である「炊飯鍋」の存在を知り、今では毎日炊飯鍋を使って調理しています。

炊飯鍋は、Amazonやホームセンターなどで売っています。

我が家で使っているものは、近くのホームセンターで1000円強で購入しました。
(Amazonでも売ってました)

この土鍋が二代目です。一代目は、一度手を滑らせて床に落としてしまい、底にヒビ割れができて水漏れするようになり、お役御免となりました…

土鍋で炊く時、洗米や水加減などは炊飯器で炊く時と大きな差はありません。

直火にかけて炊いていきます

強火で沸騰するまで加熱していきます。
沸騰してきたら、火力を弱火に落としてさらに10分から15分くらい、加熱します。

10分くらい経つと、ご飯が炊けた時のあのいい香り、キャンプで飯盒炊飯をした時に嗅ぐことのできるあの香りがしてきます。
このタイミングで火を止めるのですが、止める前にだいたい5から10秒くらい火力を強火にします。これで、余分な水分がとぶそうです。

それから、蓋をしたまま約10分間蒸らしていきます。

10分後…

できあがりです!

胚芽の残っている分づき米ですが、見た目は白米と変わりません
全体をしゃもじでかき回すと、よりふんわりとした仕上がりになります
一粒一粒がたってます
ごま塩をかけて食べるのもおすすめ
時々、玄米のまま炊くこともあります

ガス火にかけるので炊飯器を使って炊く時と比べますと、目が離せないという面はありますが、直火で炊いたご飯を食べるようになるとその手間が気にならなくなりました。それくらい美味しいのです。

わたしは、子供の頃から白ご飯をそのまま食べるのが苦手です。どうにもお米の味というものが感じられません。舌が鈍いのでしょうね…

ですが、この精米したばかりのお米を炊飯鍋で炊いたお米は、そのまま何もかけないで食べることができています。日本人として生きてきて40年。ようやくお米そのもの味を楽しめるようになってきました。

これには新鮮な感動があります。

まとめとして

「お米」は、日本人にとっての主食、なくてはならないものであり、あって当然のありふれたものとなっています。
日本国内に住んでいれば、どこに住んでいても買うことができます。

そんなものなので、「お米」について改めて考えたり、じっくり味わうことがあまりないかもしれません。

わたし自身がそうでした。

そんなわたしがお米に対する思い入れを強く持つようになりました。
それは、自分の口に入るものをより丁寧に探し、人とのかかわり合いから見つけ出し、手に入れたものをひと手間かけて自分好みのものとし、じっくり調理するという過程をふむようになったからです。

どんなものについても言えることですが、自分の生活に欠かせないもの、あって当たり前のものと思えるものほど、改めて向き合うきっかけを作るのは大切です。自分に新しい気づきや感動を与えてくれます。

みなさんも、自分が毎日食べているもの、使っているものを、今までとは違う形で購入したり、今までとは違う方法で楽しんでみてはいかがでしょうか?

それが、何気なく過ごしている毎日を、より充実したものにしてくれるといいですね。




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