おわりに向かって、毎日毎日生きてゆく ― 『ひとりでカラカサさしてゆく』 江國香織 著
「生きる」という行為において、自分ではじまりを選ぶことはできない。そして、おわりも選べない、はずだ。
はじまった人に、全員もれなく平等に訪れる、おわり。人によっては、だいたいの時期が分かったり、突然だったりすることはあるが、おわりはあちらからやってくるものであって、自分で選ぶことはできない、はずだ。
その考えで生きているから、猟銃で自ら命を絶った老人3人の物語、というあらすじに衝撃を受けた。どんなにショッキングな内容が書かれているのだろうか、とすこしおびえながら本を開いた。
『ひとりでカラカサさしてゆく』江國香織/著
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