アンゲーマネジメント(学んだこと編)

前回はこちらの記事に、アンゲーマネジメントに取り組んでみようとおもったきっかけを書きました。

まずはこちらの本から何を学んだのかについて書いていきたいと思います。

著者は安藤俊介さん。日本アンガーマネジメント協会の代表理事で、アンガーマネジメントを日本に導入した第一人者だそうです。アメリカのナショナルアンガーマネジメント協会で、アンガーマネジメントファシリテーターの最高ランクであるトレーニングプロフェッショナルに米国人以外では唯一登録されているなど、実績のある方です。
今回私が手に取った本は朝日出版から出されているもので、文庫本サイズ、221ページと非常にコンパクトです。中身も非常にすっきりとわかりやすく、知りたいことがすぐ分かるという印象でした。

私の記事を読んで関心をもった方、以前から興味はあったけど勉強する機会がなかったという方におすすめの1冊です。詳しい内容はぜひ本を読んでいただきたいのですが、今回は「コアビリーブ」について書きたいと思います。

「コアビリーブ」というのは、「私たちがふだん信じているもの、判断の価値基準にしているもの」(上記書籍P53・第2章「アンガーマネジメントの仕組みを知る」より)です。コアビリーブはそれぞれの人のなかにあり、多種多様なのが特徴です。例えば、「女性は控えめでなければならない」というコアビリーブを持っている人の目には、会議で積極的に自分の意見を述べる女性の姿は良くないもの(気に入らないもの)として映るでしょうということも書かれていました。

「アンガーマネジメント入門」のなかには、数多くの有益な視点が示されていましたが、そのなかでもなぜ私がこの「コアビリーブ」に深く納得したかというと、自分がこれまで感じていた「怒り」や「イライラ」は、コアビリーブが原因だと感じたからです。

例えば家族と食事をしていた時のことです。食事が終わり、くつろいでいたところ、家族は自分の飲み物を準備するためにキッチンに向かいました。その時ダイニングテーブルの上には食事の時に使った食器や調味料が置かれています。ここで私は「どうせキッチンに行くのなら食器を持っていってくれればいいのに」と思いました。
「え?そんなことでイライラするの?」と感じた方もいるでしょう。私も今ならそう思います。しかし、「食事のあとはすぐに食器を片付けるべき」「無駄な動きをしないで、1度で済ませられることは済ませるべき」という「コアビリーブ」をもっていた私は、「何も持たずにキッチンに行く」という家族の姿にイラッとしていたのです。つまり、家族が私の「コアビリーブ」の通りにならなかったため、イライラしていたということです。
本を読んで「コアビリーブ」という考え方を知った私は、日頃自分が何にイライラしていたのかを分析してみることにしました。すると、ほとんど全てが「相手が自分のコアビリーブ通りに動いていない」、つまり「相手を自分の意のままにできていない」状況にイライラしていたということがわかりました。例えばこんな具合に。
・提出期限が過ぎているのに頼んだ書類が出ていない
 ⇨書類が出されないと私の仕事が進まないのに。期限は必ず守る「べきだ」!
・何度も注意しているのに同じ間違いを繰り返しする人がいる
⇨1度注意されたことは直す「べき」だし、繰り返さないようにする「べき」だ!
・私が使いたい椅子の上に家族が物を置いたままにしている
⇨いつでも使えるように、必要ないものはすぐに片付ける「べき」だ! など
これに気づいた時の感想は、一言でいえば「愕然」です。自分は何と傲慢な人間なのだろうと深く反省しました。相手を自分の思い通りにしたい、でも(当然ですが)それはうまくいかない、そのことに対して怒っていたなんて。自分の傲慢さに愕然とし、落ち込んだ一方で、「ああ、よかった」という安堵感もありました。私が人間としてダメだからイライラしているのではないのだ。「コアビリーブ」という歪んだ認知のせいで怒りが引き起こされているのだと理解できたからです。
私はこれまで自分のことを「すぐにイライラする短気な人間」「他の人と比べて我慢ができない人間」だと思っていました。しかし、この本、そして「コアビリーブ」という言葉に出会って、イライラや怒りが人間性の問題ではないかもしれないと考えられるようになったのです。

「コアビリーブ」を完全に無くすことは難しいそうです。しかし、その「コアビリーブ」が自分や周りにとってマイナスなものであるなら、じっくりとで良いから修正していけば良いと書かれていました。コアビリーブは意識しないとなかなか気付きにくいものですが、イラッとしたとき、怒りを感じた時、「あれ、私はなんでイラッとしたんだろう?自分のなかにどんなコアビリーブがあるんだろう?」と分析することによって、感じたイライラ・怒りを表に出さなくなりつつあります。

次回の記事では、実践してみた感想をもう少し書こうと思います。


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