"えっ、この非常時にさえICTを使わないのなぜ?"の文科省説明会[5月11日]を文字起こししてみた
5月11日に文科省が情報環境整備に関する説明会をYoutubeでLIVE配信しました。
そこでの、文部科学省 高谷浩樹 初等中等教育局 情報教育・外国語教育課長 の説明会がかなりパワフルなメッセージだったので、是非多くの人に読んでもらいたいと思い、文字を起こしました。
この説明会がきっかけで、私たちは現役の先生たち中心の完全無料のオンライン個別学習サポート、オンライン寺子屋を開始しました。
その様子は朝日新聞にも取り上げられました。
一部抜粋
"えっ、この非常時にさえICTを使わないのなぜ?"
“現場の職員の取り組みをつぶさないでくれ”
”これからはICTを使わなかった自治体に説明責任が出てくる”
"紙を配るんではなく、双方向での授業を学校現場に取り組んで頂く必要がある。"
"本当にできること、使えるものは何でも使って、できることから、できる人から、既存のルールに捉われず、臨機応変に何でも取り組んでおられますか?"
"ご対応いただきたい、じゃないですね。私たちですね、今、今日、この日に、学校のICT環境整備の担当になったんだから、やんなきゃいかんです。"
"皆さんも是非おかしいんだ、今が間違ってんだ、"
"やろうとしないということが一番子供に対して罪だと、私は思います。"
といった文科省の訴えがありました。
これには、賛否両論あるとは思いますが、文科省が強いメッセージをだしたという事実は変わら無いと思います。
ぜひ、多くの人の議論になってほしいと思い文字起こししたので、共有します。
文科省の方が感情を出しながらこんなパワフルな説明会をするなんて正直驚きでした。
21分からと1時間48分からと、
2回も同じ内容を繰り返し、伝えているところにも熱意が伝わってきます。
ぜひYoutube LIVE配信の記録をご覧になりたい方は以下のURLの21:48~28:46と、1:48:48~1:54:46でご覧になれます。
※以下は、文科省の説明会を文字に起こしたものであり執筆者の解釈は含まれていません。
※動画の文字起こしという性質上、映像なしには伝わりにくい箇所があったため、一部文法上の助詞等( )で補足をしました。詳しくは、動画をご覧下さい。
共同執筆者 公立中学校教員 中村 柾 大学院生 堀 佳月
より多くの自治体・教育委員会・教育関係者に届きますように。
=================以下文字起こし文21:48〜=================
今はですね、前代未聞の非常時です。緊急時です。
これまで多分、もちろん、忌まわしい東日本大震災とか色々ございましたが、日本全体で、これだけ、いつ何が起こるかわからない、まさにあれに匹敵するような、そして、西日本の方にとってはむしろ前代未聞なのかもしれません。非常時緊急時。
なのに、危機感がない方、危機感のない自治体が多いです。
勿論その自治体でコロナに実際にかかっておられる方、(は)少ない。
そして、緊急の措置というものが解除に向かうんじゃないかというような雰囲気が出ているところもあると思います。ですが、先程もございましたと通り、これは長丁場になります。
必ず長丁場になります。
第二波、第三波というものが来る可能性(が)大いにあります。
そして、三密を避けなければいけないと言うのは
数日単位じゃなくて数ヶ月単位、数年単位と言うような話さえ出てきてます。
そのような中でICTやオンライン学習と言うものは学びの保障に当然ながら大いに役立つものです。
皆さん今、私の説明どうお聞きになられているでしょうか。ICTを使って(聞いて)らっしゃると思います。
これまでICTの、こういう予算の説明、例えば令和元年度補正予算の説明。私(は)同じ様に(話)させて頂きました。どうやったか(というと)、47都道府県の方々に全部東京の文部科学省の会場にお集まり頂きました。
それでお話を直接させて頂きました。
47都道府県の方々皆さん、それぞれの都道府県に持ち帰って、また改めてご説明をされました、各市町村さんに対して。
旅費もかかります。時間もかかります。
ところが今回このようなICT機器を使うことによって、きちんと、コロナウイルス感染症対策に必要な距離をとりながら、しっかりと即時に瞬時に、皆様方全国、北海道から沖縄までの市町村の方々にお話を頂いています。
ICTと言うのはこのような強み(と言うの)は、しっかりあるわけです。
子供たちにとっても同じ強みはあるわけです。
ところが取り組もうとしない自治体さん、数多くいらっしゃいます。
今もございました。何故かここで、考え方が止まってしまう市町村さん、市区町村さんがあると言う話も聞こえてきます、残念ながら。
もちろんしっかり取り組んで頂いている方々もいらっしゃいます。
今、何をすべきか。
使えるものは何でも使いましょう。
家庭のパソコン、それから、子供本人のパソコンでなくても家族のスマートフォンを使う。
先ほどご紹介をしました。携帯各社さん、25歳以下の利用者に対して優遇措置までとっていただいてます。
ある物を使いましょう。
それをできることから、できる人から使いましょう。
さっきの審議官の話の中でも、 5%の子供ができないからということ(の)話、エピソード(の)紹介、ございました。
一律にやる必要はありません。
緊急時ですから。
それなのに、「いや、一律じゃないからダメなんだ」と言うのは、やろうと言う取り組みから残念ながら逃げてると言うふうにしか見えなくなります。
それは大きな間違いです。
できる人からできることから、取り組まなければいけない緊急時です。
この後ご説明する環境整備もその通りです。
是非できることから進めてください。
更には、既存のルールにとらわれず臨機応変に、ということ。
これはですね、一番わかりやすいエピソードが、セキュリティーポリシーガイドラインなんですが、
これ何回か私もご紹介をしたことがございます。
いつの間にかセキュリティーを守ることが目的化してしまって、どんどんセキュリティーが強まっていった。
当然ながらセキュリティー強めれば強めるほどセキュリティーは守れるんですけれども、本来の目的であったICTを使うということが全然使えなくなっている。
動画が見れなくなる。いろんなものが活用できなくなる。
これ、最終目的じゃないはずです。
ルールを守るということは、最終目的ではありません。
特に今回のような時、いや先生がUSB持ち帰るにしても、いや、先生がパソコンを使うにしても本来こういうルールがあったら、本来こういう使い方、本来こういう承認が必要だな。
今危機的な状況ですから、臨機応変な対応が求められます。それが危機管理です。
それをしっかりと対応していただくと。
それをぜひ教育委員会の方々、もしくは学校の管理者の方々、管理職の皆様方。ぜひ頭を180度変えて頂きたい。なんでも取り組んでみてください。
私どものところにもいろんな声が聞こえてきますが、現場の教職員がICTを使ってこういうことをやりたい、ああいうことをやりたい、こういうことやったらいいんじゃないかと、いうことが、
「いや、一律に出来ないから」「いや、ルールにそれ沿ってないから」ということで、否定されるという悲鳴が数限りなく寄せられています。おかしいです。
今の緊急時、しっかりとICTを使う。
それは1番わかってる現場の先生方の取り組みと言うものを潰さないように、しっかりとそこは皆様方が、そこをサポートしていかなきゃいけない。
そこを是非皆様方対応いただきたい、(と)いうふうに思います。
ぜひ、この観点から通達を再度、通達とか私どもの事務連絡も合わせてしっかりと再読いただいて、ご対応いただきたいと言うふうに思います。
=================以下文字起こし文1:48:48〜=================
この後ですね総務省さん、それから経産相さんに補正関係のご説明をいただきます。今回のギガスクール構想、文部科学省だけがやってるわけではございません。総務省さんは、いわゆる通信関係もそうですし、自治関係もそうでございます。
それから経産相さんは、いわゆるEdTech。民間企業の教育との連携ということについて、大変協力を頂きます。それから、自治体ピッチをやって頂いた内閣官房のIT室。更には、その他もう政府全体としてこのギガスクール進めております。
そういう中でですね、やはり政府全体としてどうしても、今のコロナの状況を見ても思うのがこれなんです。
今は前代未聞の非常時、緊急時なのに、どうして学校で、なかなか危機感ないところが多いのか。
勿論危機感持って対応していただいてるところも沢山あります。
ですが、なかなかこれが進んでない。
大いに役立つのに、何故か、取り組みが遅いところがあります。
「いや、俺取り組んでるよ」と、そういうお声もありますが、
本当にできること、ここに書いてありますようにですね、使えるものは何でも使って、できることから、できる人から、既存のルールに捉われず、臨機応変に何でも取り組んでおられますか?
と言うことです。最初、審議官も申し上げました。
いやいや5%の学校があるからなかなか取り組んでいないんだとかですね、
あとは9月入学、新学期の話が出てきたらパッタリ止んだとかですね。
そんな場合じゃないんです。
この後世の中がどうなろうとも、学校のICT環境を使って、できる事はやらなければいけない。
勿論対面授業が出来ればいいんです。
対面授業に勝るものはありません。
ですが、対面授業が出来ないというこの状況において、
ICTの活用、と言うものは、紙を配ってですね、何月何日までに宿題を持って来い。それもひとつの方法ではありますが、そ
それよりも、朝、毎朝、子どもたちと対面できる、双方向での授業ができる、子供の元気な顔を少しでも見る。こういうことをしっかりと取り組む、学校現場に取り組んで頂くという必要がございます。
「えっ、この非常時にさえICTを使わないのなぜ?」
皆様方にこの説明をいただきたいと思います。
この非常時にICTを使わないのはなぜか?
これまではですね、学校のICT環境を整備すると言うことに対して説明責任がありました。学校のICT環境を進めようとされてる自治体さんが、なんで学校にパソコンがいるんだ、と。なんでそこに予算入れなきゃいけないんだ。せっかく取り組もうとされている自治体さん、学校の先生、管理職に対して、説明責任が生じて、それを乗り越えようと頑張っておられました。
世の中が、ところが、変わりました。
ギガスクール構想、それから新型コロナウイルスへの感染症対策で世の中変わりました。
ICTを使おうとしない自治体さんにこれからは説明責任が生じてきます。
皆様それを是非、文部科学省じゃありません、全国の地元の自治体のお子さん方に、なぜ使わないのかと言う説明責任が生じるんだと言うことをですね、ぜひご理解をいただいて進めていただくという必要があります。
私共もですね、この説明責任が求めらています。
皆様方にその説明責任を負っていただくと、いうことにも、なる状況に今、私共もお尻に火がついています。
今ですねここでICTに取り組まないのはなぜかと、言う事について、是非ご理解をいただいて、ご対応いただきたい。
ご対応いただきたい、じゃないですね。私たちですね、今、今日、この日に、学校のICT環境整備の担当になったんだから、やんなきゃいかんです。
これ何年か経って、あの時担当だったのは誰なんだって言われるとですね、その人間に説明責任が出てきます。
文科省で言えば私なんですね。
私もあの、なんでお前これやらなかったんだ、出来なかったんだって、皆さんと一緒です。一蓮托生です。
文科省も一蓮托生なんですけど、教育業界が皆一緒になってですね、「ICT環境、なんでこんなコロナの時にこんなにやらなかったの」って。
ハッキリ言って、今の一般社会から見たら、教育のICT環境って物凄い遅れてます。
私も、教育を担当して驚いてます。
皆さんも是非おかしいんだ、今が間違ってんだ、
と言うことを是非ご理解頂いて、是非対応して下さい。
で、やろうとしても進まないんだったら、進められないんだったら、さっきの窓口に是非相談してください。
やろうとしないということが一番子供に対して罪だと、私は思います。
是非ご対応頂ければと思います。
情報環境整備に関する説明会の動画はこちらから
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より多くの自治体・教育委員会・教育関係者に届きますように。
共同執筆者 公立中学校教員 中村 柾 大学院生 堀 佳月
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